戦姫絶唱シンフォギアG
第2楽章〜ネフィリムの目覚め〜
第9節「新校舎と新学期」
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し訳ない気持ちでいっぱいです……はい……。
翔くん、本当にありがと〜ッ! この借りはいつか必ず返すから、ツケにしといて!
「……ばか」
なお、サラッと話題に出された隣の小日向さんの呟きと不貞腐れた顔は、響含め誰にも見られていないとか。
ff
一方、同じ頃のアイオニアン音楽院。
こちらのとあるクラスでも、響と全く同じ状態になっている男が一人。
(あれから一週間とはいえ……響、大丈夫かな……)
当然、響の恋人こと風鳴翔である。
(二課のものではないシンフォギアに、発展型のRN式まで……。厄介な敵が現れたな……)
武装組織フィーネは、あれから一週間も動いていない。
その目的が掴めない中で、翔も今出ている情報から考察を試みているのだが、点と点が上手く結ばれず、モヤモヤし続けていた。
(俺達が岩国基地に行っている間に盗まれたという聖遺物、サクリストI……生弓矢。まさか、俺の胸に宿るこいつ以外の欠片があったなんて、思いもしなかったな……)
生弓矢護送任務の際、俺が融合した欠片とは別に、遺跡の調査が進んだ事で新たに発見された欠片があったらしい。
と言っても、生弓矢が置かれていた場所を洗い直したら出てきたらしく、発見されたのはルナアタックと同時期だったとか。
灯台もと暗し、とはよく言ったものである。
それが盗まれた。事の重要さは、他の誰より俺が一番理解している。
「……ざ……りクン……」
生弓矢は生命を司る聖遺物。ギアとして纏い絶唱すれば、死者蘇生の奇跡さえ可能とする……文字通り、生殺与奪の権を握る事ができる力だ。
融合している俺でさえ、まだ分からない事だらけの聖遺物でもある。
「……か……なりク……いて……るのかね……?」
悪用されたらと思うと、恐ろしさに背筋が凍る。
果たして彼らは、一体何を企んで──
「風鳴クン! 聞こえているのかね!?」
「ッ!? はっ、はいッ!?」
気付けば、すぐ目の前には見慣れたちょび髭眼鏡の小太り顔が立っていた。
凪景義先生、俺達の担任である。
「まったく、君にしては珍しいじゃないか。授業が全くの上の空とはね」
「すみません……」
「何か考え事かね。さては君、恋煩いでもしてるのかね?」
次の瞬間、クラスがドっと沸いた。
「センセー、そこはご心配に及ばず! 翔にはとっくにカノジョがいるから、恋煩いする時期は過ぎてまーす!」
「なっ、紅介!」
「なんだって!? ぐぬぬ、僕でさえまだだと言うのに……これが格差社会だとでも言うのかッ! 理不尽じゃないかね!?」
紅介、凪先生本気で悔しがってんぞ。
胸ポケットから取り出したハンカチを
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