第百五十話 北進その十一
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「やはりな」
「出来るだけ無傷で手に入れたいな」
「あの街は巨万の富を生む」
「人口はローマと同じか少し少ない位でな」
「この浮島の東部の交易の要でだ」
「商業も盛んでな」
「しかも絹の産地でもある」
産業もあるというのだ。
「ならだ」
「出来るだけ無傷で手に入れないとな」
「そうすべきだ」
「あそこはいい図書館もあってな」
「デルフォイもそうだがな」
「学問も盛んだしな」
久志はこのことにも言及した。
「ならな」
「俺っちの言う通りだな」
「ああ、出来るだけ無傷でな」
その状態でというのだ。
「街を手に入れたいな」
「ならだな」
「ああ、湖峡も掌握してな」
そしてとだ、久志は芳直に話した。
「そうしてな」
「そこからだな」
「城壁を攻めるな」
「わかった、ではだ」
「そっちはだな」
「水軍に任せてくれ」
こう言ってだった、芳直は。
すぐに艦隊に戻り湖峡入り口の鎖をどけそして機雷も除去した、そうして湖峡の中に入ろうとすると。
ビザンチウムの艦隊が北の港から来たが。
芳直はその艦隊を先程まで鎖と機雷があった湖峡の入り口で迎え撃った、そして久志達も要塞とはいっても今はほぼ更地となっているそこに多くの大砲を置き。
湖と陸から攻撃を浴びせた、久志は陸から砲撃だけでなく術も使って敵艦隊に攻撃を浴びせつつ言った。芳直の艦隊も万全の砲撃を続けている。
「流石に湖からだけでなく陸から攻めるとな」
「うん、敵の艦隊も結構強いけれどね」
剛もその戦を見つつ言う。
「有利に戦えるね」
「そうだな」
「だからだね」
「ああ、ここはな」
「このままだね」
「攻めていくな」
陸からの大砲が敵のガレオン船を撃った、それでだった。
船から火が噴き出した、久志はその船を見て言った。
「また」
「うん、ただね」
「ただ?何だ」
「艦隊は要塞攻略の時は出なかったね」
「ああ、鎖をしていてな」
「機雷もね」
「それで艦隊が出る必要がないと思って」
そう判断してというのだ。
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