血統
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ても無駄なのは、ティミーが一番分かってる事だろ!?」
「……………カンダタには何か解決策があるんですか?」
リュカへの鬱憤がカンダタへと向かうティミー…
「…正直あまりおすすめじゃねーが、一つだけ解決策がある…」
強烈な殺気を向けられて、怯みまくったカンダタが思わず口にした言葉…
カンダタ自身は、この提案だけはしたくなかったのだが…
「本当に!?それはどんな事なの?」
アルルが瞳を輝かせカンダタに詰め寄った!
ティミーやウルフ達も大きな期待に瞳を輝かせている。
「あ、あぁ…此処ポルトガから南西に行くと『サマンオサ』と言う国があるんだが、その国の南の端に俺の知り合いの海賊のアジトがあるんだ…其処へ行って海賊共を味方に引き入れる………ってのはどうだろうか?」
「盗賊の次は、海賊かよ!どんだけ勇者様一行の名を、貶めれば気が済むんだ!?そんなクズはお前だけで十分だ!」
「何にもしねぇ旦那が文句言うなよ!船の扱いにかけちゃスペシャリストなんだぞ!ヤツらに船を任せれば、海上でモンスターに襲われても、俺達は戦闘に集中出来るだろ!」
皆がカンダタの提案を噛みしめる様に吟味する。
「確かに…方法としては良い提案ですが………海賊が私達に協力してくれますかね?」
「それは分からねぇ…直接交渉してみねーと………ただ、ヤツらは俺と違って義賊なんだ!弱者から金を巻き上げたりはしねぇ…何時も狙うのは悪党だけだ!」
「………他に…方法はないですし…取り敢えず海賊のアジトを目指しましょう!」
アルルの一声により、一行の進路は決定した。
可能な限り敵に遭遇しないよう、海賊のアジトを目指す事に…
「ねぇリュカ…お願いがあるのぉ…」
リュカの膝の上からマリーを退かし、ビアンカが跨る様にリュカへ抱き付き、甘えた声でお願いをする。
「海賊のアジトまでだけで良いから……………歌わないで?」
そう…今回の船旅では死活問題のリュカの歌…
それを封じる為、ビアンカはリュカに甘えお願いをする。
そのままビアンカを抱き上げ、船室へと下りて行くリュカ…
残された他の者は、出港の準備を再開する…
マリーですら、ティミーから教わり船の扱い方を憶えようとしている。
<ポルトガ沖>
進路が決定してから半日…
船内に響くビアンカの甘い声に我慢しながら準備を進めたアルル達。
何とかポルトガ港から出ることが出来た様だ。
ビアンカの献身的なお願いが功を奏し、リュカも大人しくマリーと戯れている。
「やっとポルトガから出港出来たね」
「ティミーのお陰です!私達だけだったら、何をして良いのかも分からなかったですから」
出港し穏やかな船旅が続く中、余裕が出来てきたアルルとティミーが笑顔で会話している。
「ほぉら、見てごら
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