第二章
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「悪いことはないさ」
「その通りね」
「ああ、勇一さんと綾の癒しにもなって」
「お家がいい方向に動くわね」
二人でこう話してだった、娘の家に犬が来たことを素直に喜んだ。そして日曜娘の夫もこの日は休みで家にいた時に。
二人は娘夫婦の家を訪問した、すると。
そこには一匹の茶色の毛の子犬の柴犬がいた、見れば柴犬は二人を見てまずは警戒したが。
茶色の髪の毛をおかっぱにした優しい顔立ちの少女二人の孫娘である愛にこう言われた。
「ベル、大丈夫よ」
「ワン?」
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんだから」
こう孫娘に言われるとだった。
犬はすっと彼女のところに行って道を開ける様にして引き下がった、二人はその犬を見て孫娘に尋ねた。
「この子がなのね」
「そうなの、うちの新しい家族なの」
愛は祖母に明るい笑顔で答えた、ピンクのティーシャツと青の半ズボンがよく似合っている。実に健康的だ。
「ベルっていうの。雄よ」
「そう、男の子のなのね」
「そうなの、毎日一緒に遊んでるの」
「それはいいことね」
「お散歩も連れて行ってるし」
愛は祖母に笑顔でさらに話した。
「ご飯もあげてるわ、お家でいつもお父さんもお母さんもね」
「可愛がってるのね」
「そうなの、お父さんいつも帰りが遅いけれど」
それでもというのだ。
「帰ってきたらいつもベルが迎えてくれてね」
「どうなってるの?」
「笑ってるわ」
「そう、それはよかったわね」
「うん、ベルがお家に来てね」
本当にとだ、愛はさらに話した。
「毎日楽しくなったよ」
「それは何よりね」
「それでお父さんとお母さんは何処かな」
祖父は孫娘に二人のことを尋ねた。
「今は」
「リビングにいるよ」
「そうか、じゃあな」
祖父は孫娘ににこりと応えてだった。
そうして二人のところに行った、すると。
勇一は疲れた顔であった、やはり仕事疲れがある。二人の娘である綾もそれは同じで肌も荒れている。
だがそれでもだ、若い夫婦は二人に話した。
「ベルをうちに入れてよかったです」
「忙してもね」
「家に犬がいるとその分明るくなりますね」
「お散歩やご飯をあげたりすることが気分転換になるし」
「家に帰ってベルに出迎えてもらうとほっとします」
「愛の遊び相手にもなってくれるし」
「それはよかったな」
父は娘夫婦の言葉を聞いて言った。
「二人の癒しにもなっているし」
「最初は私達がずっとお家にいないからね」
娘が父に応えた。
「愛一人だけだと危ないから」
「番犬に飼ったんだな」
「それだけだったけれど」
それがというのだ。
「気分転換や癒しにもなってくれて」
「愛の遊び相手にもなってくれてか」
「思っていたよりもずっといいわ」
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