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曇天に哭く修羅
第二部
問題無し
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ら前へ跳び、着地後に振り返った。

居るのはバスターソードを構えた係員。


「刺客だったのねアンタ」


クリスは背中に痛みを感じる。


「防壁が遅かったかしら?」


その疑問に刺客が答えた。


「我が【異能】は『物体の切断』だ。如何なるものも一振りで断ち切れる。それが例え核兵器に耐えられる物理防御力を持った魔術師の魔晄防壁で有ろうとな」

「はっ、笑わせるわ。あんたに異能は要らない。直ぐに終わらせてやる。今の私に勝ちたいなら紫闇でも連れてきなさい!」


【練氣術】によってブーストがかかったクリスの身体能力に【音隼(おとはや)】による高速移動が加わり刺客を翻弄すると、隙を見て【禍孔雀(かくじゃく)】の拳を叩き込んで床へとめり込ませた。


「防壁をすり抜ける攻撃っていうだけじゃあ今の私には到底勝てない。もっと基礎能力を上げなきゃね。つまり鍛え方が足りてないのよ」


ピクリともしない刺客を放置して武台に向かうクリスは花道で浴びる歓声に高揚し、闘争心が不安と緊張を駆逐していった。

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