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夢幻水滸伝
第百三十一話 琉球を出てその四

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「行っています」
「今の日本か」
「終戦後の日本はまだです」
「昭和の頃はな」 
 室生が喜久子に応えて言ってきた。
「何かとな」
「野球でもプロレスでも」
「そして店を出してもな」
「そうした人達が絡んできました」
「そうだったな」
「それが問題でした」 
 表にも裏にも絡んできていた、そうして彼等は利益を得ていたのだ。
「まさに。ですが」
「それはだな」
「ヤクザ屋さんは放置出来ません」
「絶対にな」
「非合法組織を放置しては」 
 それこそというのだ。
「治安は成り立ちません」
「それでだな」
「私は彼等をです」
 ヤクザ者、彼等をというのだ。
「徹底的に取り締まっています」
「そうしているな」
「そしてです」
「社会を健全化させてだな」
「犯罪の温床を減らしています」 
 ヤクザ者というそれをというのだ。
「日本全土で」
「そのお陰でたい」
 純奈は室生と坂口の皿を出す用意を見つつ言ってきた、見れば寝椅子から起きた喜久子も焼きはじめ中里はジュースの用意をしている。北原は相変わらず焼く肉やフランクフルトの用意をしている。全員働いている。
「日本の治安はぐんとよくなったとよ」
「それは何よりです」
「確かな警察力ば全土に行き渡って」
「盗みや暴力を許さず」
「ヤクザ屋さん達もな」
「取り締まり」
 そうしてというのだ。
「治安をよくする様に励んでいます、そして」
「やがてはたいな」
「太平洋と地下世界全土の治安を」
「よおしてくな」
「九十五億の人口に極めて広大な国土ですが」
「海も浮島もあるしな」
「ですが」 
 それでもとだ、喜久子は肉を焼きつつ自分の隣にいる純奈に話した。
「私はです」
「太平洋と地下世界全土の治安をやな」
「それこそ夜に戸締りの必要がなく」
 そしてと言うのだった。
「女の子も一人で歩けて旅も」
「気軽にやな」
「出来るまでに」
 そこまでと言うのだった。
「治安をよくしたいです」
「うち等が起きた世界の日本よりもたいな」
「そこまでにしたいです」
「治安がいいとでごわす」 
 北原も言ってきた。
「やはりでごわす」
「国としていいですね」
「そこからでごわす、そしてそこから」
 治安が確かになってからだとだ、北原はさらに話した。
「産業もです」
「育成しやすいですね」
「治安がいいとそれだけで」
 まさにというのだ。
「国として全く違うので」
「その通りでごわすな」
「ですから」
 それ故にとだ、喜久子は北原に応えて話した。
「私はです」
「これからもでごわすな」
「治安の健全化に務め」
「ヤクザ屋さんも」
「許しません」
 こう言うのだった。
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