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戦国異伝供書
第八十四話 安芸家との戦その八

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「今はじゃ」
「はい、噂を流しますな」
「そうしてですな」
「敵の士気を落とし」
「調略をさらに続けますな」
「完全に囲み援軍のあてもないなら」
 そうした城ならというのだ。
「力攻めよりもな」
「この様にする」
「そうして陥とす」
「そうしますか」
「そうじゃ、下手に力攻めをするとな」
 その場合のこともだ、元親は話した。
「敵は後がない、だからな」
「どうせ死ぬならとなり」
「必死に戦い」
「そしてですな」
「そのうえで」
「そうじゃ、こちらも多くの兵を失う」
 そうなるというのだ。
「だからな」
「それで、ですな」
「下手に攻めるよりもですな」
「調略を用いる」
「そうしていきますか」
「そうして安芸家を降す、無駄な血は流さぬ」
 決してというのだ。
「ではよいな」
「わかり申した」
「それではですな」
「城の中に調略を続け」
「崩していきますか」
「そして降る様に言う」
 安芸家自体にもというのだ。
「それでよいな」
「それでは」
「その様にしていきましょう」
「今は」
「そうして勝ちましょう」
「これで土佐の東も我等のものとなる」
 安芸城を調略で攻め安芸家を降せばというのだ。
「だからな」
「調略を仕掛ける」
「そうしていきますな」
「そうしていくとしよう」
 こう言ってだった、元親は安芸城の中に噂を流しそうして主な家臣達に次々に調略を仕掛け降していってだった。
 安芸家の城の中の将兵達を減らし士気を落としていった、そうして程よい頃と見てそのうえでだった。
 安芸家の主安芸国虎に使者を送ることにした、その使者はというと。
「降ればですか」
「出家をされれば」
「それで、ですか」
「よいですか」
「うむ、ご当主殿もな」 
 国虎、彼もというのだ。
「それでよい」
「左様ですか」
「それで、ですか」
「よいですか」
「それで」
「命を取るまでもない」
 元親は静かな口調で述べた。
「別にな」
「では、ですな」
「ご当主殿に出家してもらい」
「それでこの戦を終わらせますか」
「そうしますか」
「その様にお伝えせよ」
 国虎にとだ、こう命じてだった。
 元親は実際に安芸城に使者を送ってそのうえで国虎の出家と条件に城の者達全員の助命を約束してだった。
 そのうえで安芸城そして安芸家の領地である土佐の東側を手に入れた、こうして安芸家との戦は終わった。
 元親は戦が終わると兵を引き揚げ自身も岡豊城に戻った、そうして城に戻るとすぐに家臣達に話した。
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