第十二幕その六
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「一つ面白いものを見せるからね」
「というと」
「それを見たければね」
「早くだね」
「宮殿に帰ろうね」
「それではね」
「あっ、急がないわよ」
ここでトロットが言ってきました。
「特にね」
「普通に歩いてだね」
「帰りもね」
これもというのです。
「楽しまないとね」
「冒険の旅は帰るまでだからね」
「そうよ、それはね」
「しないんだね」
「確かに魔法使いさんの新しい何かは見たいけれど」
それでもというのです。
「まだね」
「急がないんだね」
「そうよ、それは待っていてもいいでしょ」
「そうだね、魔法使いさんは見せるつもりだし」
「私は披露すると言えば絶対に披露するね」
その魔法使いの言葉です。
「そうだね」
「そうだね、貴方は」
「意地悪はオズの国ではないしね」
「だから余計にだね」
「そうしたことはしないよ」
このことは絶対にと言うのです。
「本当にね」
「だからだね」
「宮殿に帰ったら」
この時はというのです。
「絶対にね」
「見せてくれるんだね」
「そうだよ、ただこのことは魔法ではないよ」
魔法使いはこのことは断りました。
「そのことは断っておくよ」
「魔法ではないんだね」
「知恵と言うべきか再現と言うべきか」
「そうしたものなんだ」
「そのことも言っておくね」
「じゃあそれをだね」
「宮殿で披露するよ、急がなくても」
それでもというのです。
「いいよ」
「そうよね、ではね」
トロットは魔法使いの言葉ににこりと笑って頷きました、そうしてそのうえでまた言ったのでした。
「帰り道もね」
「楽しむんだね」
「是非ね」
「そう、返り道をじっくりと歩いてね」
かかしも言ってきました。
「そうしてだよ」
「楽しめばいいね」
樵もこう言います。
「本当にゴールまでが冒険の旅だからね」
「そこまで楽しんで」
トロットはかかしと樵にも応えました。
「最後の最後までいい思いをしましょう」
「僕はトロットの考えに賛成するよ」
「僕もだよ」
かかしと樵はトロットに笑顔で述べました。
「だからね」
「最後の最後まで行こうね」
「さて、私達は宮殿から村に帰るけれど」
カエルマンもにこにことしています。
「その道も楽しみだね」
「そうですね、ではまずは」
クッキーがカエルマンのその言葉に笑顔で応えます。
「宮殿までですね」
「帰ろうね」
「そうしましょう」
「僕は今度は何時他の場所に行くのかな」
寝ている間にとです、ボタンは腕を組んで首を傾げさせました。
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