プロローグ
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その日は俺にとって大事な日だった。
「ふぅ。やっとセンター試験おわった…
ほんと緊張した〜。」
そう、大学センター試験の日だった。
自慢する訳じゃないが俺は医大に進める程の学力の持ち主だった。
「んじゃ帰るか〜!」
緊張が一気に無くなり、スッキリしたと
大学前の横断歩道を渡ろうとした
瞬間の出来事だった。
『キャーッ!!』
そう聞こえ、内心ビックリしながらも
周りをよく見てみると、数メートル先で
同じ大学を受験したであろう女子高生が
見るからに怪しい格好をした男に刃物で襲われる寸前だった。
女子高生は必死にこちら側に走りながら
逃げているが…もう追いつかれそうだ。
このままだと刺されてしまう。
ーどうなってるんだろうな…俺の体ー
そう思ってしまっても仕方ない。
何故なら俺は女子高生の所まで走り出し
女子高生を押し俺が代わりに刺された
のだ。 うはぁ…。。
(何してんだ俺は?自分が代わりにとか
バカ以外になんでもないだろ…!!)
そう思いながらも俺は最後の力で
男を殴り、共倒れの状態になった。
周りにいたスーツ姿の男の人達や
大学の先生らが男を取り押さえている
のが見え、それと同時に力が抜けていくのが感じられた。
(冬でさみーのに更に寒くなったな…)
そう思っていた時の事だった。
女子高生が泣きながらマフラーをとり、
俺の胸部に押し付けてきた。
「…がとう!あり…とう!」
ありゃあ…俺こんな可愛い子泣かせたのか
「き…気にすん…なって。ゴホゴホ!」
「ありがとう!助けてくれて!」
泣きながらもお礼を言い続けてくれてるこの女子高生、誰だかは知らないが
「助けられて良かったわ。怪我…ないか?
そんな泣か…ないでくれよ…。」
「だって!あなたの血が…止まらないくて!!私を守ってこんな事に…」
救急車の音が聞こえると共に女子高生の
そんな悲痛な言葉を聞いた。
「そんな…ことないぞ?君が助かって
本当に良かった。俺がしたくてしたんだ。そう…言わないでくれ。」
俺は最大限の力を振り絞り笑って見せた
それと同時に力が抜けていき
前が暗くなって行った。
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