第二章
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「助けよう」
「ベンもそう言ってるし」
「それじゃあな」
「このダンボールごとね」
「連れて行くな」
「そうしましょう」
こうしてだった、夫婦は猫達をダンボールに連れて行ってだった。
まずはご飯等をあげて世話をした、二人は猫の世話はしたことがないがそれでも勉強しつつそうして。
ボランティアの団体にも連絡した、するとだった。
小猫達の里親が募集され彼等は一匹一匹と貰われ最後の一匹だけとなった、すると妻が夫にこう言った。
「拓哉がね」
「あの子がか」
「猫も飼いたいって言ってるけれど」
二人の息子がというのだ。
「どうしようかしら」
「じゃあ飼うか」
それならとだ、夫は応えた。
「そうするか」
「そうね、それじゃあね」
「最後に一匹残ったしな」
「それならこの子はね」
「うちで引き取ってな」
「飼いましょう」
「そうするか」
「ああ、それならな」
夫はまた妻に応えた。
「飼うか」
「そうしましょう」
こう話してだった。
夫婦は最後の一匹は自分達で飼うことにした、そしてだった。
この猫、雄猫だったが名前はチャ毛が茶色であることからそう名付けられ家で育てられることになった。チャは元気な猫で。
いつも家の中で走り回り悪さをした、一家はそんなチャを叱りつつも可愛がった。そして自分と兄弟達を見付けてくれて救ってくれたベンともだ。
仲がよく家の中でいつも一緒に寝ていた、その様子を見てだった。
夫はふと妻にこんなことを言った。
「チャはうちに残ったけれどな」
「その最後の一匹だったわね」
「ああ、けれどな」
「けれどっていうと」
「ベンもだったな」
犬の方もというのだ。
「そうだったな」
「そういえばそうだったわね」
妻の返事は思い出した感じのものだった。
「ベンもね」
「そうだったよな」
「ええ、ペットショップで兄弟と一緒にいたのよね」
「ペットショップの話だとな」
そのペットショップの店員の話ではだ。
「それで売れ残っていてな」
「値崩れしていてね」
「僕達が飼ったな」
「そうだったわね」
「ああ、あと少しで」
「犬カフェとかそういうところに送られていたわね」
「そうなっていたみたいだな」
そのペットショップは確かな店だったのでそうなる運命にあったというのだ。
「どうやら」
「そうだったわね」
「残り者だったな、ベンは」
「そしてチャもね」
猫である彼もというのだ。
「考えてみたら」
「そうだったな」
「ええ、だからね」
妻は夫にさらに話した。
「チャとベンはね」
「それぞれか」
「一緒にいることも」
それもというのだ。
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