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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第1節「不穏な足音」
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展開させていたアームドギアを握り、一気に加速した。

パワージャッキの性能も大幅に向上したナックルは、内部のギアが放電しながら高速回転し、響の拳撃の威力を引き上げる。

〈我流・撃槍烈破〉

拳が命中した直後、強力な衝撃波と共に獣型ノイズは爆散した。

その爆風に飲まれ、周囲のフライノイズ達も次々と炭化していく。

響の背後からは翔がアームドギアを構え、響が倒し損ねたノイズに備えていたものの、閉鎖空間ないでの爆発に巻き込まれた事で、どうやら全滅したらしい。

トンネルの入口からは、爆風と共に煙が押し出され、まるで勝利の狼煙のように空へと立ち上っていく。

いつの間にか雨は上がり、空を覆い尽くしていた黒雲は晴れ、昇り始めた太陽が響を背後から照らしていた。

「未来見上げ 凛と立ってきっと花に生まれると信じて……!」
「掃討完了、お疲れ響ッ!」

アームドギアを収納した翔は、同じく右手の篭手を元の形状に戻し、排熱を終えた響に駆け寄り、ハイタッチを交わした。



そんな響を、クリスは列車の後方から驚いた顔で見つめていた。

「閉鎖空間で相手の機動力を封じた上で、遮蔽物の向こうから重い一撃……。あいつ……バカなのに……」
「立花さんも、日々成長してるって事さ」

純もまた、戦闘の終了を確認してギアを解除し、クリスの肩に手を置きながら親友達の方を見つめる。

「僕としては、あのやり取りだけで立花さんの作戦を理解した翔も凄いと思う。互いをよく知り、信頼しあっているからこそ出来る事だもの」
「あ、あたしとジュンくんだって、あれくらい!!」
「勿論出来るさ。僕とクリスちゃんならね」

自分達だって負けてない、と張り合おうとするクリスに微笑ましさを感じ、純の手が自然とクリスの頭に伸びる。

頭頂に乗せられた優しい手に、クリスは頬を赤く染めながら撫でられるのだった。



(さて、これでノイズは振り切った。後はウェル博士をどう締め上げるか……。どうやってカマかけてやったものか……)

響と二人、勝利の余韻に浸りながらも、翔は今回の黒幕について考えていた。

ウェル博士以外の第三者という線も考えたが、やはりチラつくのは、任務の前日に入院中の了子から聞いた一言だった。

(響達にも共有しておきたいんだけど、博士に怪しまれる可能性が高いしな……。響は素直すぎるし、雪音は掴みかかりかねないし……。でも純なら或いは──)

「あッ!?翔くん、大変ッ!!」
「ん?ああ、どうした!?」

響の叫びに、思考を一時中断する。
何事かと思えば、響が指さす方向には……遠ざかっていく列車の後ろ姿があった。

「わたし達、置いてかれちゃうよ!!」
「しまった!!響、走るぞ!今ならまだ、全力ダッ
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