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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第1節「不穏な足音」
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車両の前方を確認する。

そこには、なんと……トンネルが目前まで迫っていた。

「くッ!!」

翔と響は足元を踏み抜き、車内の廊下へと着地する。

一方、純は盾を素早く小型化すると、翔達が空けた穴へとクリスを抱えて飛び込んだ。

「あっぶねぇ……大丈夫か、クリスちゃん?」
「助かったッ!ありがとな、ジュンくん」

純の腕から降り、顔を見合わせるクリス。
一瞬だけ、お姫様抱っこの状態だったのを、翔と響は見逃していなかった。が、今は敢えて口を閉ざす。

「それにしても……クソッ!攻めあぐねるとはこういう事かッ!」
「何とか、一気に倒す方法を考えないとな……」

悔しげに拳を手のひらに突き合わせるクリス。
純も顎に手を当て、策を捻り出そうとする。

実際、翔も悩んでいるところだ。
さて、あの硬さと突破力……どうしたものか。

「あ、そうだッ!」
「なんだ?何か閃いたのか?」
「師匠の戦術マニュアルで見た事があるッ!こういう時は、列車の連結部を壊してぶつければいいって!」
「はぁ……おっさんのマニュアルってば面白映画だろ?そんなのが役に立つのかよ……」

予想に反したぶっとび回答に、クリスは呆れ気味だ。
しかし、そこで翔は合点がいった様に指を鳴らす。

「いや、行けるかもしれないぞ!」
「本当か、翔?」
「ノイズに車両をぶつけたって、あいつらは通り抜けて来るだけだろ?」
「ふっふ〜ん、ぶつけるのはそれだけじゃないよッ!ねっ、翔くん!」

互いに顔を見合わせる翔と響に、クリスは訳が分からず純に助けを求める。

純は、二人の表情から確信めいたものを感じ取ると、クリスの方を見ながら言った。

「ここは二人に任せようぜ。翔がこういう顔してる時は、大体上手くいくからな」
「ジュンくんがそこまで言うなら……任せてやるよ」
「急いで!トンネルを抜ける前にッ!」

四人は急ぎ足で、更に前方の車両へ乗り移る。

クリスが列車の連結部を撃ち抜き、破壊すると、響は両脚を曲げて連結機同士の間に挟まる。

「サンキュー、クリスちゃん!」
「本当にこんなんでいいのかよ……?」
「後はこ、れ、でぇぇぇッ!」

響は両手で前方車両に掴まって身を支え、両脚で勢いよく後方車両を押し出した。

切り離された車両は勢いよく、列車の反対方向へと進んでいく。

列車を追ってきた翼獣型ノイズは予想通り、位相差障壁で列車を通り抜ける。

「君だけを(守りたい)だから……飛ぉぉぉべぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」

しかし……そのスピードはトンネル外を飛んでいた際に比べ、確実に落ちていた。

車両を透過してきた翼獣型ノイズが、その頭部を覗かせた瞬間を見計らい、響はブースター付きの巨大なナックル型に
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