戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第7節「S2CA」
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ッ!」
響が苦しげに唸る声。
手を繋いだ翼達は、響の手をしっかりと握り締め、彼女を激励する。
響を中心に広がっていく虹色の光は、絶唱と共に明かりが落ちたライブ会場の外にも溢れ出し、避難した観客達は揃って空を見上げていた。
“S2CA・トライバースト”。
それは、装者3人の絶唱を響が調律し、ひとつのハーモニーと化す大技。
それは、手を繋ぐことをアームドギアとする響にしか出来ない、とっておきの中のとっておきだ。
だが、その負荷は響一人に集中してしまう。
他の装者の苦しみを響は一人で肩代わりし、バラバラな音色を一つに束ねて放つのだ。
しかし……そんなデメリットを、黙って響に背負わせる事を良しとしない男が一人。
「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉッ!」
当然、響達の背後で天詔琴を伴奏する翔である。
彼のアームドギア、天詔琴が奏でる「生命の旋律」には、フォニックゲインを安定化させる力がある。
その力で響に集中し、荒れ狂うエネルギーの奔流を押さえ込み、その調律を手助けする事で響の負担を減らす事が可能なのだ。
無論、絶唱クラスのフォニックゲインともなれば、調律する翔の肉体にも負荷がかかる。
だとしても、響だけを苦しませたくはない。
翔の覚悟は、負荷による苦しみを捩じ伏せ、確かに響への負荷を通常の半分以下に減らしていた。
やがて、分裂増殖を繰り返す肉塊は全て消し飛ばされ、イボノイズの本体がその姿を現す。
分厚い肉塊に覆われていたその本体は、先程までとは真逆のひょろっちいものだった。
人間のものに似た脊髄に細長い二本足、そしてウチワエビの様な形の頭部をした青いノイズ……。
それがセルノイズの正体である。
「今だッ!!」
「レディ……!」
響のギアのプロテクターが、脚部から頭部にかけて順に展開されていく。
両腕を合わせると、かつての奏や先程のマリアのように、響の両腕のプロテクターがひとつに合体した。
だが、先の二人と異なっているのはその形状。
そのまま腕から着脱され、槍の形状へと変わる二人と違い、響のプロテクターはそのまま右腕で変形・展開され、タービン型のナックルの形を取った。
周囲に広がっていた虹の光が、響のナックルへと集束していく。
右腕にエネルギーを集めた響は、拳を握り構える。
「ぶちかませッ!」
「ブラックホールを吹き荒らせッ!」
クリス、純の叫びと共に響は跳躍し、腰背部のブースターでノイズの頭部まで加速する。
「これが私達のッ! 絶唱だァァァァァッ!!」
拳がノイズに突き刺さった瞬間、ナックルの縁に存在する四つのブレードが展開され、ナックル全体が高速回転する。
そして、ガンッ!という鈍い音と共にパイル
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ