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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギアG
第1楽章〜黒の装者達〜
第7節「S2CA」
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かッ!』
「緒川さん、何でしょう?」

そこへ、緒川からの通信が入る。

『会場のすぐ外には、避難したばかりの観客達が居ますッ! そのノイズをここから出すわけには……!』
「観客ッ!?」
「皆が……!」

響と翔の脳裏に、未来達親友らの顔が浮かぶ。
純やクリスも、苦虫を噛み潰したような表情で周囲のノイズを見回した。

「迂闊な攻撃では、いたずらに分裂と増殖を促進させるだけ……」
「どうすりゃいいんだよッ!」

翼とクリスが万策尽きたかと思い始めたその時、響が呟いた。

「絶唱……。絶唱ですッ!」
「あのコンビネーションは未完成なんだぞ!?」

しかし、響の表情は確信に満ちていた。
翔の方を見ると、彼もまた無言で頷いている。

「増殖力を上回る破壊力にて一気殲滅。立花らしいが、理には適っている」
「おいおい、本気かよ!?」
「他に策はない……か。今はこれが最善だと思うぜ、クリスちゃん。早くしねぇとあのグロいのが外に出ちまう……。やるしかねぇ!」

セルノイズ本体は更に膨らみ、脂肪のようなイボイボを破裂させては、更に分裂増殖を繰り返している。

迷っている暇はない。クリスは首を縦に振ると、響と手を繋ぐ。
クリスの右手を純が繋ぎ、響の左手は翼に繋がれた。

翔が四人の背後でアームドギア、天詔琴(アメノノリゴト)を構える。

「サポートは任せろ。響だけを苦しませはしない」
「ありがとう、翔くん」

翔に微笑みかけると、響は……そして四人の装者は、眼前の災厄を毅然と見据える。

「行きますッ! S2CA・トライバーストッ!」

『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl──』

戦姫達の唄が、誰も居なくなったライブ会場に響き渡る。

それは、雑音を掻き消し静寂をもたらす破邪なる唄。

重なる五つの歌声が一つの唄となり、災厄を打ち払う力と束ねられていく。

『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl──』

唱え終わったその瞬間、強大なエネルギーの本流が逆巻き、五人の髪を舞い上げる。

「スパーブソングッ!」
「コンビネーションアーツッ!」
「セット、ハーモニクスッ!!」

響の胸に残る傷跡が、ギアの内側から光り輝く。

束ねられた三色の音色が、虹色の光を放ちながら響の身体へと収束していく。

既に余波で何体かは消し飛んだものの、絶唱のエネルギーはまだ解き放たれてはいない。

「うああああああああッ!」
「耐えろッ! 立花ッ!」
「もう少しだッ!」
「気合いだッ! 踏ん張れ
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