鎹
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チェルに全てを打ち明ける。
「女王様!父は貴女に話してない事があります!それは………」
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「………と言うわけで、我々はこの世界の人間ではございません!父は…リュカは、元の世界に帰り、国王として国を統治せねばなりません!身勝手ではございますが、それを了承して頂きたい!」
ティミーは誠心誠意事実を伝え頭を下げている。
リュカはそれを見て「頭下げる事ないのに…」と、小声で呟いていたが、それを聞いたビアンカに頭を押さえられ、一緒に頭を下げている。
「…なるほど…私と結婚して王位を継げないのは、こう言った理由だったのね…」
「違う!違う違う!!それは違うよレイチェル!」
寂しそうに呟き見つめるレイチェルに、リュカは近付き手を握り締め答える。
「結婚出来ないのは、僕には既にビアンカが居るからなんだ!国王だからでも、異世界人だからでもない!それに王位を継ぎたくないのは、本気で国王なんてやりたくないからなんだ!も、辞めたいんだけどさぁ…辞めさせてくれないんだよねぇ…」
不意に近付かれ手を握り瞳を見つめられ、顔を赤くするレイチェル。
「うん。分かったわ…でも、可能な限りイシスに帰って来てね。その時はフリーパスで私の元に来て良いから!」
「うん。そうするよ」
丸く収まりつつあるのだが、少し納得のいかないエコナが余計な事を呟いた。
「不憫やな…父親の顔も知らんで育つなんて…」
言わなくて良い一言が、更に言わなくて良いリュカの発言を呼び込んだ。
「じゃぁ…コイツあげる!」
そう言うとティミーをレイチェルに突き出すリュカ。
「イケメンだし、真面目だし…まぁ、何かの役には立つんじゃね?…弟か妹か分からないけど、『パパ』って呼ばせちゃえよ!」
(ブチ!!)
さすがに切れたティミーが、剣を抜き放ちリュカへと振り下ろした!
「おわ!あぶねぇ!!…当たったらどうすんだよ!ったく…真に受けんなよ!」
しかしそれを余裕で躱すリュカ。
「あ、貴方って人はぁ………」
怒りの収まらないティミーは、尚も斬りかかるが掠りもしない。
ティミーの剣技はレベルが違いすぎて、アルル達には止める事すら出来ない…
そしてそれを余裕で躱すリュカが、化け物の様に見えてきたのだ…
二人を止めたのは、妻であり母であるビアンカだ!
「いい加減にしなさい!!」
強烈な叱咤を受け、男二人が大人しくなる…
そこから延々とビアンカの説教を聞く事になる二人…
この時アルル達は納得した…
リュカを押さえられるのは、この女性だけなのだと…
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