五十七匹目
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だるげにニャォと鳴いて面倒くさそうに部屋から出ていった。
一分も経たずに、シラヌイがやって来た。
「お久しぶりです、ツェツィーリア様、トレーネ様」
「畏まらなくていい。シラヌイ君」
「そうですよ〜。私は〜娘の友人と話してみたいだけなんですよ〜」
膝に乗せた猫をモフりながら、ぽやぽやとトレーネが言った。
トレーネが自分の隣をとんとん叩く。
ちょうど、トレーネとツェツィーリアの中間。
シラヌイはそれに従い、その場所にちょこんと座った。
トレーネの指先がぷにぃっとシラヌイの頬に刺さる。
「うゅ?」
「うりうり〜」
「ぅゆーん…?」
ぐいぐいと押され…。
ふに。
(ふに?)
「どうしたシラヌイ君? こんなババァの胸に興味があるのか?」
トレーネに押され、いつの間にかシラヌイはツェツィーリアの横乳に頭を押し付けていた。
「わひゃぁ!? すいませんツェツィーリア様!」
シラヌイは顔を真っ赤にして飛び上がった。
ツェツィーリアは美人だ。
年は既に100近いが、エリクシールの効果で肉体は未だに40〜50代。
見た目だけなら30代にも見えなくはない。
その上、年を重ねたことによる深みのある美を備えているのだ。
シラヌイがこうなるのもおかしくない。
そんなシラヌイをクスクスと笑いながら見ているトレーネ。
「シラヌイ君は面白いですねぇ〜」
「うゆぅー!」
シラヌイは顔を真っ赤にしてトレーネを睨む。
実際ただの上目遣いにしかなってない。
まったく怖くない。むしろ可愛いだけ。
「あんまりからかってやるなトレーネ」
「え〜。かわいいじゃないですか〜」
シラヌイの耳をふにふにしながらトレーネが応える。
「……………………シェルムと気が合う訳だ」
トレーネとシェルムはそれなりに仲がいい。
気が合うのだろう。
同じSとして……。
トレーネとツェツィーリアがシラヌイをからかいながらクーコの話を聞く。
「あら〜。最近クーコの魔力量があがってたのは〜そういうことだったんですね〜」
「ぅゆ。魔力は使えば使うほどふえますから。僕も毎晩色々錬成して魔力を空にしてます」
「それは宝石の類いか?」
ツェツィーリアの質問に対して、シラヌイは言葉ではなく実物で答えた。
アイテムボックスからキラキラと輝く手裏剣を出した。
「僕が研究している分子結合多重魔方陣素材のダイヤモンドで作った星形ブーメランです。刃は潰してあります」
ツェツィーリアがそれを手に取る。
天井の採光窓から差す光に当てると四方八方に乱反射し
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