TURN40 雨の少女その八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ドクツもいますし」
「植民地の独立派もな」
「そして同じ連合国であっても」
同盟関係にあってもだった。国家同士の関係とは完全な友人関係とはなることがない故になのだった。
「ガメリカ、中帝国はです」
「植民地独立させて自分達の経済圏に組み込みたいからな」
「そういう意味で日本と同じですから」
敵であるというのだ。ガメリカと中帝国も。
「そしてソビエトもです」
「何か敵だらけなんですね、エイリスって」
「まあそれはな」
イギリスはバツの悪い顔になってフェムに応えた。
「何ていうかな」
「否定されないんですね」
「結構以上に恨みっていうか追い落としかけられてるな」
このことは否定できないのだった。
「そのソビエトにしてもな」
「共有主義でしたよね」
「王室否定してるからな、貴族もな」
誰もが平等であると主張しているが故にだ。
「それに資産主義も否定してるからな」
「だからですか」
「エイリスは資産主義発祥の地だよ」
ソビエトの嫌う要素が全て揃っていた。
「というかあの国が一番やばいな」
「エイリスにとってですか」
「ったくよ、敵だらけじゃねえか」
少し考えてみればそうだった。それがエイリスの置かれている状況だった。
「どうしたものだよ」
「お友達を作られてはどうですか?」
「友達?いねえよそんなの」
「フランスさんは」
「あいつマダガスカルから動かないからな」
しかも長年の宿敵の関係にある。イギリスと彼の関係は。
「友達な。今思うと作っておいた方がよかったな」
「ですか。やっぱり」
「冗談抜きで俺敵だらけだよ」
枢軸だけでなく連合国にもいてだ。国内にもだった。
「どうしたものだよ」
「そういう時はです」
ネルソンはここでも穏やかな微笑みで自身の祖国に話す。
「我々がいますので」
「ネルソンさん達がか」
「はい、それにです」
さらにだというのだ。
「女王陛下もおられるではありませんか」
「そうだよな。俺も一人じゃないな」
「ですからご安心下さい」
こう言うのあった。
「祖国殿はお一人ではありません」
「だよな。言われてみればな」
「妹さんもおられます」
彼女もいた。イギリスは決して一人ではなかった。
イギリスはネルソンにこのことを言ってもらい気を取り直した。それでこう言ったのである。
「完全に孤独な国家はいないか」
「そして人もです」
「だよな。俺だってな」
「はい、気持ちを落とされずに」
ネルソンはイギリスにまた言った。
「そのうえでいきましょう」
「ああ、じゃああんたとフェムちゃんでな」
「組んで、ですね」
「そのうえで攻めるか」
こう言ったのである。
「太平洋軍をな」
「はい、そうしましょう」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ