暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・56
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
れ」

 そちらを指差すと、涎を垂らした妖精さんがズラリ。

「な?妖精さんへの日頃の労いついでに、味見にも協力してもらう約束だ」

「われわれにもりえきがあるおはなしですゆえ」

「てーとくさんのあたらしいどらやきたのしみです」

「どらやきパーティーじゃー」

「どらパじゃどらパじゃ〜」

「あの」

「だから龍田、お前は何の気兼ねもせずに、好きなだけあんこのどら焼きを堪能してくれ」

「…………ふえぇ」

 瞬間、龍田の顔がくしゃりと歪んで涙がポロリと零れ落ちた。

「そんな意地悪しないで、私にもちょうだぁい……?」

 そう。龍田の奴は俺の作っていたあんこ以外の物を挟んだどら焼きが羨ましくなっていたのだ。だが、食べ始める前にあんな大見得を切ったものだから恥ずかしくて言い出せなかった訳だ。

「しょうがねぇなぁ、ったく」

 ……ま、最初から解ってて俺の気が済むまでイジってた訳だが。





「どうだ?美味いだろ」

「そりゃ、美味しいですけどぉ」

 一頻り泣いた龍田は、ぐすんぐすん言いながらも俺の作るどら焼きを次から次へとパクついている。今食べてるのはクリームチーズとバターを練り合わせたチーズクリームを挟んだどら焼きだ。クリームチーズの爽やかな味に、バターのコクが合わさってこれまた美味い。パンに塗ったりサンドイッチにしても良いかもしれん。

「ほんと、提督ってドSな上にイイ性格してるわよねぇ」

「よせやい、照れるじゃねぇか」

「……皮肉のつもりで言ったんだけどぉ?

「解ってて言ってんだよ、バカ」

 龍田も普段はドSだと思われてるが、あれは臆病さの裏返しで強がっているだけだからな。その上に恥ずかしがり屋さんだから、照れ隠しに人当たりがキツくなってしまう。それが龍田がドSと勘違いされる理由だ。龍田は本当は面倒見が良くて心の優しいオンナだってのは、俺が良く知っている。

「……ん?どうした龍田、顔が赤いぞ?」

「わ、わかってるくせにぃ……///」

 おっと、考えてた事が口に出てたか。こりゃうっかりしてたなぁ(棒読み)

「本当に提督って真性のドSよねぇ……まぁ、それがまたイイんだけど?」

 龍田、お前実はドMなんじゃねぇの?
 


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ