第百五十話 北進その四
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「降るんや」
「そうなるな」
「そや、それでや」
「ビザンチウムまでか」
「楽に行ける様になったわ」
「有り難い、っていうか戦力見せるのも戦略だな」
久志は考える顔で言った。
「本当に」
「そや、簡単に言うとな」
「そうだよな」
「これでビザンチウムも降ったらええが」
美奈代はこうも言った。
「けれどな」
「そうは上手くいかないだろうな」
「世の中何でも順風満帆にはならん
今度はシビアな口調での言葉だった。
「そうはな」
「だよな、あそこは自分達の護りに絶対の自信持ってるからな」
「実際これまで一回も陥落したことはない」
「もう何しても攻め落とせなかったんだな」
「そやからな」
「7強気でいてか」
「こっちにも降らんわ」
そうおいそれとは、というのだ。
「ほんまにな」
「それじゃあな」
「ああ、攻めるで」
「ビザンチウムはな」
久志は美奈代の言葉に頷いた、そうして。
北進していきビザンチウムを目指した、アンカラにも至り遂にビザンチウムが見える場所にまで至った。
そうしてその街を観てだった、久志は思わず唸った。
「ああ、これはな」
「難攻不落でござるな」
「あれが城壁かよ」
その三重の城壁を見て進太にも言った。
「とんでもなく高いな」
「幅も凄いでござるな」
「大砲も普通に置いてるな」
それも数多かった。
「しかも鉄か」
「あれなら大砲もでござるよ」
「かなり撃たないと壊せないな」
「そうでござるな」
「しかも結界も多いな」
術に対するそれもだ。
「あれじゃあな」
「あそこから攻めてもかなり辛いでござる」
「そうだな」
「湖の方から攻めてもでござる」
その場合についてもは進太が言った。
「やはり鉄の城壁と多くの大砲があるでござる」
「そこからも攻めにくいな」
「そして空からも」
そちらはというと。
「対空砲が多いでござるよ」
「本当に何処から攻めてもな」
それこそというのだ。
「攻め落とせないな」
「全くでござる」
「そうそうな」
「しかしでござるな」
「ああ、ここまで来たんだ」
そのビザンチウムまでというのだ。
「それならな」
「攻めるでござるな」
「そして攻めるからにはな」
それこそというのだ。
「攻め落とすさ」
「必ず、でござるな」
「ああ」
進太に強い声で答えた。
「何があってもな」
「今我が軍は二十八万でござる」
進太は兵の数も話に出した。
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