第百五十話 北進その二
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「本当にな」
「ビザンチウムか」
「ああ、あの街だからな」
「最初の戦略目標だから」
「今回の戦のな、だからな」
「キプロスは次にしてだな」
「まずはビザンチウムだ」
この街だというのだ。
「そうするな、そういえばな」
「何だ、一体」
「テュルスは降ったよな」
久志はこの街、地中湖東岸から少し離れた島全体が都市となっているその都市国家のことについて芳直に問うた。
「そうだよな」
「ああ、あの街は使者を送るとな」
「すぐに降ったな」
「一番最初の方に降った都市国家だ」
「だよな、あそこは水軍が強いからな」
それでというのだ。
「だからな」
「その水軍を使うか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「キプロスを牽制させてな」
「そのうえでか」
「俺達はビザンチウムを目指すな」
「そうするか」
「あと水軍はな」
芳直が水軍を率いていることから彼にさらに話した。
「アレクサンドリアから陸軍は岸の方を進むからな」
「並行してだな」
「進んでくれるか」
「主力はだな」
「ああ、そうしてくれるか」
「わかった」
芳直は即座に答えた。
「ならだ」
「そこは頼むな」
「地中湖南岸を攻めた時と同じだな」
「沿岸部を進んでな」
「水軍の援護もだな」
「受けながらな」
そうしてというのだ。
「補給もな」
「湖からも受けていくな」
「ああ、折角制海権というかな」
「制湖権はこちらにあるからな」
「それならな」
「それを使わない手はないな」
「ああ、陸からも補給はしていくけれどな」
久志はこちらの話もした。
「それだけじゃなくてな」
「水からもだな」
「それで常に万全の補給を受けつつな」
そのうえでというのだ。
「北上していくな」
「万全の状況でだな」
「物資は大量にあるしな」
「その大量の物資をだな」
「輸送していくな、それにその物資をな」
それ自体もというのだ。
「まだ降っていない勢力に見せてな」
「大軍と大量の物資の両方をか」
「そうしたら余計に降るだろ、あとこのアレクサンドリアに相当な数の各勢力の密偵もいるな」
「うん、そうだよ」
この話には淳二が応えた。
「相手は気付いていないと思っていても」
「やっぱり潜入してきているよな」
「今は泳がせているけれど」
「暗殺とか破壊とかやりそうな奴は捕まえてな」
「牢獄行きだね」
「それで普通の密偵にはな」
その彼等の話もするのだった。
「あるものを見せるか」
「それは何かな」
「金だよ」
久志は笑って言った。
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