また父が変な事をしている
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ーノも今回が失敗だと悟る。
「うわぁ、ご飯も炊けてるじゃん! 一杯ちょうだい!」
「おう!」
「「「え!?」」」
僕らの驚きを他所に父さんは手早く腐った大豆を器に移すと醤油とカラシを足して掻き混ぜる。
そして混ぜ終わった腐った大豆を白米の上に乗せ、満面の笑みのマリーに渡した。
僕らが唖然としてると、マリーは何の躊躇も無く白米と一緒に腐った大豆を口に運ぶ。
「美味しー!!」
こんな悪臭を放ってる物を食べて、それを美味しいと言う。
僕だけでは無く、この場に居るほぼ全員が信じられないで居る。
すると父さんは更にもう一杯の腐った大豆ご飯を作成し、何時もの優しい笑顔でリュリュに向けて話しかける。
「臭いは凄いけど、本当に美味しいよ。父さんの事が信じられないのなら仕方ないけど、欺されたと思って食べてみる?」
彼女相手にこの男が笑顔でそう言えば、逆らう事が出来るはずも無く恐る恐る腐った大豆ご飯を受け取って、自らの手元を見つめる我が妹。
僕は小声で「無理はしない方がいい」と言ったのだが……
僕の一言で意を決したのか、眼を強く閉じ勢いを付けて腐った大豆ご飯を掻き込むリュリュ。
そして自暴自棄な様子で咀嚼をする……と、突然目を見開いて、
「うわぁ美味しい、何これー?」
「ご飯の上に納豆を乗せたから『納豆ご飯』だ。臭いもあるし好き嫌いは分かれるだろうけど、美味しいんだよ」
そう言いながら父さんは更に納豆ご飯なる料理を作成する。
そして目でリューラとリューノに納豆ご飯を勧めると、リュリュ同様逆らえない彼女らはその料理を口にする。
「え、本当だ。美味しい!?」
「確かにこれは美味しいな」
リュリュに続いて2人の妹が陥落すると、リューラにベタ惚れのアローも鼻をつまみながら父さんの作る納豆ご飯を受け取り食す。
そして箸が止まらなくなる。
それを遠巻きに見ていたメイド等が興味を掻き立てられた様で、父さんに納豆ご飯を強請る。
そして更にシェフ等も納豆ご飯を要求し始めた。
この場で食してないのは僕だけだ。
食のプロであるシェフ等も口々に『美味しい』と褒めているが、中には『臭いさえ無ければもっと美味く感じるのに』と言う意見もチラホラ……
父さんも『好き嫌いが分かれる』と言っていたから、万人受けする料理ではなさそうだ。
「ほらティミーも……」
僕だけ二の足を踏んでいると父さんが納豆ご飯を勧めてくる。
本当に食べても大丈夫なのか……腐ってるんじゃないのか?
「食べても大丈夫なのは、この場に居る皆を見れば判るだろ。食せない物であれば、今頃腹痛を訴える者が何人も出ている。好き嫌いが分かれる食べ物ではあるが、食べもせずに嫌わないでもらいたいな。一口でも食べてから嫌いに
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