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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
第2部
取り残された者達……。前編
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…。精神的に来るものがあるだろう……」
「えぇ……その人も含めて、みんな無事だと良いんですけど」
「………」
そんなバルクホルンと宮藤の言葉を聞き、思わず私も先程の高揚感が一気に冷めていくのを感じだ。
そう……ウィーラーが、ここ数日、最悪の気分なのはバルクホルンと宮藤の会話に合った通り、ウィーラーの戦友が参加したブリタニア軍による上陸作戦が失敗し、敵陣に戦友が取り残されているからだ。
いかんせん、詳しい情報が入ってきていない為、私もウィーラーも詳しいことは分からないけど、現時点での状況を見る限り、”最悪の事態”が想定されている。
そんな事になった以上、マトモな人間なら、少なからず可笑しくなるってもんだ……。
現にそのウィーラーの戦友とは、何ら繋がりのない私やバルクホルンでさえ、このニュースを最初に聞いたときは胸が張り裂けそうな思いがしたもんだ。
それ以上に戦友として、強い繋がりのあるウィーラーからしたら、気がおかしくなってしまいそうな程、ショックなニュースだったはずだ。
だからこそ、少しでも気を紛らわそうとウィーラーも必死になっているんだろうけど、やっぱり意識しちゃうんだろうなぁ〜……だから、現にあんな感じになっているだろうし……。
そんな事を思っていると、今度はリーネが口を開いた。
「でも、もし上陸部隊に生存者が居たら、救助作戦が行われるんでしょうか?」
「あぁ……その件に関してだが、ミーナから聞いた限りだと、もしやるのであれば
我々
(
501
)
も参加する事になるらしい。あくまでも噂だがな……。現に司令部では、上陸部隊は全滅したと言う話らしいし……」
「……そうですか」
バルクホルンの言葉に対し、上手く言葉が返せないリーネ。そんな彼女の傍にいた宮藤が代わる様にこう言い放つ。
「で、でも、ウィーラーさんの戦友が生きていたら、きっと我々も救助に参加するんですよね!そうなれば、ウィーラーさんとしても救われるんじゃないですか?」
「……あぁ、そうだと思いたいな。それにアイツが今試験している救難システムも、もしかしたら役に立つかもしれん」
そう救難システムを見ながら、言い放つバルクホルンの言葉を聞きつつ、私は「……ふぅ」と短く息を吐きながら、こう言い放つ。
「まぁ……物事、前向きに考えよう。その方が良いって♪」
「……そう、ですね」
私の言葉に宮藤がぎこちない笑顔で返した瞬間、ウィーラーのP-80のジェットエンジン音が段々と大きくなっていく。
その音の方向に私たちが、顔を向けた瞬間、加速したウィーラーが滑走路から飛び立ち、私達の上空を飛んでいくのが見えた。
「………」
「……ウィーラー」
私達の上空を通過する一瞬だけ見えたウィーラーの重く堅苦しい表情を前に私は思わず息を飲み込むのであった……。
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