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ストライクウィッチーズ 流星の白虎と暴れ馬のウサギ
第2部
取り残された者達……。前編
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<ウィーラーSide>
いきなりだが、ハッキリ言おう……今の俺は生憎とあまり機嫌が良くない。本当に心底クソったれな気分だ……。
「あぁ……クソが」
俺が格納庫の中で思わずそう呟きつつ、ギリリと歯を噛みしめつつ、P-80に足を通していると。
リーネの操縦するジープに乗って、格納庫の外からやってきた宮藤が話しかけてくる。
「ウィーラーさん、準備出来ましたよ」
「……あぁ、分かった」
ぶっきらぼうにそう言葉短く返した事に宮藤は引っ掛かったのか、心配そうな表情を浮かべながら、こう聞いてくる。
「ウィーラーさん、大丈夫ですか?あんまり調子よくないんじゃ……」
「そういう問題じゃないんだ……。お前はあまり心配しなくて良いんだ。一々心配していたら、ハゲになるぞ」
「は……、ハゲって……」
俺の言葉に対し、思わず茶を濁したような返しをしてくる宮藤の言葉を聞きつつ、俺は深くため息を「はぁ……」と付きながら、宮藤に対して、こう告げる。
「あぁ、宮藤。スマンが”そこにあるの”取ってくれ」
「これですか?うわ……結構、重いですね……」
そう言って宮藤が両手でズシリ!と持ち上げた物は、一見すると背負い式の無線機にも見える鉄の箱だ。
だがしかし、その鉄の箱には横に突き出す形でクレーンの様なパーツが付けられ、そのクレーンの先には四つ股の錨を思わせる様な黄色いフックが取り付けられている。

その正体は、俺がP-80の試験飛行&運用の合間に独自に開発した”戦闘救難システム装置”だ。

これは俺が元コマンド隊員として、数々の敵陣上空で撃墜されたウィッチやパイロットの救助に従事した経験を元に姉御型&開発した物だ。
というも、航空ウィッチや戦闘機パイロットは、コマンド隊員や陸戦ウィッチとは違って地上で戦闘を含め、強制的にサバイバルをしなければならない状況になった場合の訓練こそ受けていれど、あくまで必要最低限の物であり、それを長期にわたってしなければならない状況に陥った場合、その生還率はグッと下がることになる。
それ故に素早い救助が必要になるのだが、その救助に精鋭のレンジャーやコマンドが投入される事も多いのだが、レンジャーやコマンドの隊員だって、軒並み外れた厳しい選抜や訓練を潜り抜けた精鋭であると言えど、普通の人間である以上は限界がある。
救出対象は勿論の事、救助に関わったコマンドのメンバー全員が一人残らず無事に帰ってくる事が出来ないなんて、まさに奇跡みたいなものだ。
現に俺がコマンドだった頃は、事ある度に撃墜されたウィッチの救助任務に従事したが、何回も本気で死を覚悟した物であり、大小問わずに負傷するのは、もはや必須と言った感じであった。
まぁ……今思い返せば、幸運と言うか、悪運と言うべきか、俺の率いた32小隊は負傷者こそ出せど、303高地まで戦死者を
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