第五十八話 入学前のその八
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「けれどそういう時代だったのね」
「そうよ、太宰治も麻薬やってたでしょ」
「それで大変なことになったのよね」
「だから精神病院に入れられたのよ」
その治療としてです。
「どうもあの人躁鬱だったみたいだけれど」
「何か明るい時は明るくて」
「それで自殺願望が強かったから」
「躁鬱で」
「暗い時は徹底的に暗かったのかもね」
それで麻薬もしていたというのです。
「歯はかなり悪かったそうよ」
「麻薬のせい?」
「麻薬はすぐに止めさせられたから」
先にお話した通りにです。
「色々あってでしょうね」
「歯が悪かったのね」
「そう、とにかく麻薬が合法だった時代もあったのよ」
日本にもです。
「そのことは覚えておいてね」
「わかったわ、それで今は駄目で」
法律的にです。
「麻薬中毒の人をどうお助けするか」
「このことも大事だから」
それでというのです。
「わかっておいてね」
「それじゃあね」
「ただ。禁断症状で暴れたりね」
お母さんはこうしたこともお話してくれました。
「幻覚見てね」
「暴れたりもするのね」
「だからそうした人とお会いする時は」
「用心しないと駄目なのね」
「何人かでお会いした方がいいしね」
「そうなのね」
「そうしてお助けしてね」
「わかったわ」
私はお母さんのその言葉に頷きました、思えば薬物のこともしっかり考えないといけないのがおみちです。
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