第五十八話 入学前のその七
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「だからお母さんも知ってるのよ」
「結核で死にそうな中で必死に書いてたのよね」
「ヒロポン打ってね。このヒロポンがね」
「覚醒剤のことなのね」
「そう、それでね」
そのうえでというのです。
「その頃は普通に煙草屋さんでも売ってたのよ」
「凄い時代ね」
「それが非合法になって」
「やっぱり身体に凄く悪いから」
「そうなの、それでね」
禁止になってというのです。
「今はやったら駄目だし」
「というか昔合法だった方がね」
今思うとです。
「凄いわね」
「そこまで怖いってわかってなかったのかもね」
「昔はそうだったの」
「台湾や満州でも阿片はよかったし」
「あっ、何でも」
台湾のお話を聞いてです、私は思い出して言いました。
「阿片を何とかする為にね」
「そうよ、使ってもいいってしたけれど」
ここで凄く頭のいいことが行われました、私はこのお話を大教会である人にお話してもらってびっくりしました。
「免許が必要になったの」
「そうだったのよね」
「それで免許は新しく出さないことにして」
「台湾の政府が管理してたのよね」
「総督府がね、それで阿片の売り上げをね」
「道路やダムのお金に使っていたのね」
これは凄いと本当に思いました。
「そうだったわね」
「だからヒロポンもね」
「売っていたの」
「そうした時代だったのね」
「信じられないことだけれどね」
今の私達からしてみればです。
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