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夢幻水滸伝
第百三十話 琉球に入りその十三

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「そのことは」
「そうなんだね、まあそう言うとね」
「あんたもなのね」
「そうだね、飲む酒はね」
 玲子もそれはと述べた。
「色々だよ」
「そうよね」
「酒は何でも好きだからね」
 玲子としてもだ。
「だからね」
「色々飲んでよね」
「何がとうかは」
 それこそというのだ。
「覚えてないよ」
「そうよね」
「じゃあ勝ち残った後でね」
「それぞれ秘蔵のお酒を出して」
「皆で飲もうね」
「そうしましょう」
「その時がまっこと楽しみぜよ」
 正岡はトロピカルジュースのおかわりをしつつ笑った、そのうえでの言葉だった。
「文字通り酒池肉林になるきにのう」
「肴は何かしら」
「鰹のたたきに鮪や鯛のお刺身、鱚や烏賊の天婦羅に茹蛸ぜよ」
「全部海野ものよ」
「それでも酒池肉林ぜよ」
「そうなるの」
「そうぜよ、美味い酒にご馳走なら」
 この二つがあればというのだ。
「酒池肉林ぜよ」
「そうなのね」
「そうぜよ、だからそれが楽しみぜよ」
「それ言ったらあたいはお蕎麦ね」
 武者小路が言うのはそちらだった。
「お蕎麦でお酒をね」
「おお、その組み合わせもいいのう」
「実際に美味しいわよ」
 蕎麦に酒もとだ、武者小路は笑顔で話した。
「お勧めよ」
「そうか、今度やってみるぜよ」
「お好み焼きとか焼きそばもいいんだよな」
 玲子はこちらを出した。
「たこ焼きとかいか焼きも」
「関西のいか焼きじゃな」
「そうだよ、美味いよ」
「ほなそっちも食ってみるぜよ」
「そうするといいよ」
 玲子は笑って話してだ、そのうえで今は酒以外のものを飲んだ。それが今の彼等の休養であった。中国との決戦を前にしてのそれだった。


第百三十話   完


              2019・9・15
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