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夢幻水滸伝
第百三十話 琉球に入りその十二

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「あっという間に連絡が来て」
「こうした場合はね」
 どうかとだ、武者小路はアイスクリームを食べつつ言った。
「お酒は止めておく様にって」
「言って来るからのう」
「太宰さんじゃなかったらね」
「海音寺さんぜよ」
「あの人もいる様になったから」
 だからだというのだ。
「どちらかの人がね」
「言って来るぜよ」
「だからね」
「言われる前にぜよ」
 それこそというのだ。
「止めておくぜよ」
「ほんまに」
「それは」
「お酒を飲むことは」
 それはとだ、武者小路はまたコーラを飲んで言った。
「後で出来るしね」
「そうぜよ、最後まで勝ち残って」
「その時に飲みましょう」
「そうするぜよ」
「じゃああれだね」
 その時にとだ、玲子は笑って話した。
「それぞれとっておきのお酒を出すかい?」
「土佐の酒か」
「それもね、あたしの方もね」
 かく言う玲子もというのだ。
「ここはね」
「とっておきのお酒をぜよ」
「出すよ、あたしも好きだからね」
 酒、それをというのだ。
「だからね」
「勝ち残った時はじゃな」
「盛大に飲もうね」
「いいわね、あたいも出すわよ」
 武者小路もだった。
「焼酎でいいわね」
「そっちのお酒だね」
「そうよ、日本酒も好きだけれど」
 それだけでなくというのだ。
「そしてね」
「焼酎もなんだね」
「それを飲んでね」
 そしてというのだ。
「楽しみましょう」
「そういえばあんた色々なお酒飲むね」
 玲子はここでこのことに気付いた。
「日本酒もビールも」
「焼酎もね」
「出陣前はワイン飲んでたね」
「そうだったかしら」
「飲んでたよ、覚えてないかい?」
「起きた時もこっちの席でもよく飲んでるから」
 それでというのだ。
「だからね」
「覚えてないんだね」
「どうもね」
 こう言うのだった。
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