第百三十話 琉球に入りその八
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「ずっとここにいたい位や」
「そう思わせるものが確かにあるね」
「ほんまにな」
若山は新たな段に足を入れつつ応えた、そうして三人で首里城に着いてからはその中でお菓子とお茶も楽しんだ。
遠藤は海辺で井伏、山本と共に釣りを楽しんでいた。そうしつつ二人にこんなことを言った。
「釣った魚はどうしようか」
「魚拓取ったらどうじゃ」
井伏はこう遠藤に返した。
「そうしたら」
「釣った魚は食べないか」
「それもええがのう」
「魚拓取ることもか」
「いい遊びじゃろう」
「それもそうだな」
「ほなじゃ」
山本は二人の話を聞いて述べた。
「魚拓取るか」
「そうするか、それなら」
遠藤はここで懐からあるものを出した、筆と墨そして紙の三つだった。彼はそうしたものを出してまた二人に話した。
「用意しておいたな」
「ああ、ほなな」
「でかい魚釣るけえ」
「この世界の琉球の海にはでかい魚もおる」
遠藤は楽し気に話した。
「四メートルの大物もな」
「いや、鮫じゃと十六メートルのがおるけえ」
山本は沿道に笑って話した。
「メガロドンがのう」
「あのでかい鮫がか」
「こっちの世界じゃと琉球近海にもおるんじゃ」
「そうだったのか」
「知らんかったか?」
「鮫がいることは知っていたけどな」
それでもとだ、遠藤は山本に答えた。
「種類までは」
「ちょっと沖合に出たらおってな」
「見ることも出来るか」
「それで襲われたら」
山本はその時のことも話した。
「一口じゃ」
「あっという間に」
「人ならな」
それこそというのだ。
「文字通り一口でじゃ」
「食われてしまうか」
「そうなるわ」
「メガロドンって四十メートルあったとかな」
井伏はメガロドンの大きさについて話した。
「言われてたな」
「それがどうもじゃ」
「誤りやったんじゃな」
「実際はそこまで大きくなくてな」
「十五メートル位か」
「それ位やったそうじゃ」
「そうじゃったか」
井伏は釣りを続けつつ山本に応えた。
「わしは四十メートルあったと思っておったが」
「そこまで大きくなくてな」
それでというのだ。
「こっちの世界でもじゃ」
「それ位か」
「そうじゃ」
「というか」
遠藤が井伏に話した。
「起きた世界でもそこまではな」
「なかったんか」
「そうなんだよ、これが」
「十六メートル位じゃったか」
「長い間四十メートルと言われていたが」
それがというのだ。
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