第73話
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レンの説明を聞いたサラは驚き、トワは戸惑いの表情で訊ねた。
「元々その工房にいる技術者はその工房長一人だけだったし、”クロスベル異変”の解決にも協力してくれた上、その工房長自身結社から脱退する事を考えていたようだから、見逃す事にしたのよ。」
「なっ!?どうして結社の関係者だったのに、”クロスベル異変”に協力したんですか!?」
レンの口から出た驚愕の事実を知ったアリサ達がそれぞれ血相を変えている中マキアスは驚きの声を上げてレンに訊ねた。
「例の”資産凍結宣言”が行われる少し前に、クロスベルがクロイス家による自作自演で猟兵達によって襲撃された話は知っているわよね?その襲撃で、表の顔――――――人形師としての取引相手だった”アルカンシェル”も襲撃されたから、その事に怒って”クロスベル異変”を解決する為に動いていたロイドお兄さん達――――――”特務支援課”に協力してくれたのよ。」
「ええっ!?あの”アルカンシェル”の!?」
「そういえば”アルカンシェル”の劇には人間に見間違える程の精巧な人形も使われていると聞いた事があるが……まさかその人形達を作っていた人物がその工房長だったのですか?」
レンの説明を聞いたエリオットは驚きの声を上げ、アンゼリカは考え込みながら呟いた後レンに確認した。
「ええ。ちなみに人形だけでなく、”アルカンシェル”の舞台や照明などの調整も行っていたとの事よ。」
「人形だけでなく、舞台や照明にも……という事はその工房長が”アルカンシェル”という劇団が襲撃された事に怒った理由や結社から脱退する事を決めた理由は、もしかして自分が手掛けた作品を壊した事や懇意にしているその”アルカンシェル”という劇団を襲撃したからなのでしょうか?」
「恐らくはそうだと思うわ。何せその工房長は職人気質な老人で、自分が気に入らない仕事は請け負わないまさに”偏屈なおじいさん”だもの♪」
「偏屈なご老人といい、職人気質である事といい、何だかシュミット博士を思い浮かばされるような人物ですね、その工房長は………」
「ちなみにその工房は何という名前で呼ばれているのですか?」
ガイウスの推測に小悪魔な笑みを浮かべたレンの答えにその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アリサは苦笑し、ラウラは興味ありげな様子で訊ねた。
「――――――”ローゼンベルク工房”よ。」
「ええっ!?”ローゼンベルク”って事は、その工房長はまさかあのローゼンベルク・ドール”の生みの親なんですか!?」
レンの答えを聞いたアリサは信じられない表情で声を上げて、レンに確認した。
「その通りよ♪」
「まさかあの”ローゼンベルク・ドール”の生みの親がクロスベルにいて、結社に関わっていたとはね……」
「アリサ達の様子からしてその”ローゼンベルク・ドール”という人形
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