子煩悩
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ュカに言われ、慌てて周りを見渡す。
《本当だ!今、謁見の間から出て行った人は、私達より後に来た人だわ!》
「…くっ!…リュカさんの所為ですよ!お偉いさんを怒らせるから!意趣返しされてるんですよ!………我慢して待つしかないでしょう…」
諦めた口調で呟き、そのまま壁際へ蹲るアルル。
「え〜!ちょっと文句言って来る!」
「「「「え!?」」」」
リュカは突然謁見の間へと歩き出し、勢い良くドアを蹴り開ける!
「たのもー!」
「げっ!!ちょ、ちょっとリュカさん!」
慌てて止めようとしたアルル達だが、間に合わずなだれ込む様に謁見の間へ入っていった!
「リュ、リュカ!?どうしました!?」
リュカ達の乱入に目を見開いて驚くレイチェル!
《うわぁ…美人だ…相変わらず父さん女性の趣味は良いなぁ…》
レイチェルを見て思わず見とれるティミー…
「用があって、謁見の順番待ちをしてたんだけど…もう待ってらんない!昼前から待ってるんだよ!」
「リュカ…いくら貴方でも順番は守って下さい!待つのが嫌だからって…」
呆れた様に話しかけるレイチェル…
「順番守ってねぇーのはそっちだろ!何で僕達より後に来た人が、僕達より先に謁見してんだよ!」
「え!?どういう事です?」
・
・
・
「………と言うわけで、明らかに作為的に順番を抜かされ続けてたんだ!」
「…真ですかイプルゴス!」
レイチェルはイプルゴスと呼ばれる大臣を睨み付ける。
「い、いえ…その…こ、これは偶然…その…」
「小せぇ男だな!何だぁ〜、レイチェルの事を狙ってたのか?そんで僕に嫉妬したか?」
口籠もる大臣に容赦なく罵声を浴びせるリュカ。
「だ、黙れ!貴様なんぞ認めんぞ!」
「ぶははははは!いいもんね〜、認めてくれなくても!ば〜か!」
大臣は血管が切れそうなくらい顔を真っ赤にしている。
「わ、私は…女王様が幼い頃より仕えてきたのだ!女王様がお幸せになれるのなら…そう思い日夜仕えてきたのだ!それなのに貴様の様な浮ついたろくでなしが、女王様を汚しおって!」
ついには泣き出す大臣…
「イプルゴス…泣かないで…私は幸せよ。頼りになる家臣に囲まれて…素晴らしい国民に恵まれて…そしてリュカに出会えた………だから泣かないで…そしてリュカを許してあげて!」
レイチェルは玉座から立ち上がり、リュカの元へ近付くと、そっと胸に抱き付いた。
家臣の誰もが、その光景を複雑な思いで見つめている。
そして誰もが、涙を飲んで女王様の幸せを見守ろうと思い始めてる…
しかしリュカは、抱き付いてきたレイチェルを優しく抱くと、その違和感から硬直した!
いち早くリュカの変化に気付いたのはビアンカ…
リュカの前に回り込み、表情を観察する。
そして次に気付いたのがレイチェル…
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