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ペルソナ3 ファタ・モルガーナの島(旧版)
前編
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そしてシャドウについてモルガナに説明した。
モルガナは本当に初耳だったらしく、それにいちいち驚いた反応をしてみせた。
一方、モルガナの説明によると、メメントスという人の意識を共有した世界があり、その中でも特に歪んだ心の持ち主は独自の異空間を作り出すらしい。
「そういうヤツは大概ひどく歪んでいて、手前勝手な心が生み出した宮殿でそこの王様になっている。」
「人の心の中にあるパレスというわけか。」美鶴が言った。
「いいネーミングだ。まさに歪んだ心が生み出したパレスだ。そこではその人間の歪んだ認知が形をとっている。今、この場所も島だけではなく、周りに見える景色から空の星まで含めて全てパレスなのさ。誰かがそのタルタロスっていう塔をこういう風に認知しているんだろう。」
「途方もない話だな。」真田がため息をついた。
「歪んだ認知か・・・難しい話になってきたね。」
ゆかり が首をかしげて『彼』に同意を求め、『彼』は「そうだね。」と静かにうなずく。
「しかし、俺たちはどうしてそんなところに迷い込んだんだ?」
「それは吾輩にもわからない。吾輩は元の姿と記憶を取り戻すために、メメントスを、そしてパレスを探し回っているんだ。そうしてこのパレスにもやってきた。」
「それなのに、どうしてタルタロスの中に倒れてたんだろう・・」ゆかり が不思議そうに言う。
「この島の主がいるパレスを探索している時、いきなりパレスが崩壊したんだ。慌てて脱出しようとしたんだが、その後のことはさっぱりだ。」
「この世界から弾き飛ばされて、タルタロスに出現したわけか。しかしパレスが崩壊したというのなら、なぜ今この場所が存在してる。」
美鶴が問いかける。
「さあな。しかしこのパレスの主はこの島の中央にいる。そこに答えがあるはずだ。一緒に行って確かめてみるか?」
モルガナが島の奥を指さした。

モルガナの後についてちょっとした森を抜けると、やがてかなり大きな洋風の宮殿、といってもいい建物が現れた。
巨大で豪奢な建物。正面の門にはかがり火がたかれている。
「まさにパレスだ。非現実感がすごいな。」美鶴が呆れたような声を洩らした。
「で、どうする?探ると言っても何をどう探ったらいいんだ?」真田が言う。
「それはだな・・・」モルガナが語りかけたところで
「あれ?あの門のところに立っているの、アイギスじゃない?」と、ゆかり が指さした。
正面門の脇、守衛のように立つ姿は、アイギスの特徴的な姿をしている。
「確かにそうだ。・・・しかし何かおかしいな。」美鶴が答えた。
そもそもこんな場所にアイギスがいるわけがない。
「行ってみるか。」真田はそう言って歩みを進めた。
木立の中を近づいていき、適度な距離で真田が木陰から手を振って合図してみる。
それに気づいたのか、アイギスはいき
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