暁 〜小説投稿サイト〜
曇天に哭く修羅
第二部
選抜期間突入
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【日英親善試合】の予選とも言える【代表選抜戦】はAからDまで4つのブロックに分けられており、各ブロックに出場する生徒が16名で2日置きにブロックトーナメントを行う。

今日はAブロックだ。

場所は【龍帝学園】内に有る専用のバトルドーム[ドラゴンズガーデン]となっており、早くも決勝を迎えている。

観客に紛れてイギリス代表の3年生《レックス・ディヴァイザー》と2年生の《エリザ・ネバーエンド》は静かに眺めていた。


「やはり、と言うべきか、日本の学生魔術師は然して大したことは無いようね」


相手に少し期待していたのだろうエリザの落胆にレックスは苦笑する。


「確かに『平均』や『中間』のレベルなら英国の学生が勝ると思います。しかし国の最上位に位置する【魔術師】を比較すれば日本は次元が違いすぎますから……」

「我が国だとリベレーターと呼び、日本では【魔神】だったわね。同じ位階とは言え【無明都市/ロストワールド】で階層解放者となった同士に何故あれほどの差が」


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昨年亡くなった日本の魔神。

暴食の亜理栖(ありす)

気狂い道化の道無(みちなし)

愚者のマリア

史上最強・神代蘇芳(かみしろすおう)

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この4人に関しては前年度までだけに留まらず現在でも日本にしか勝てる魔術師は居ないとされるほど圧倒的な強さ。

特に神代蘇芳は大英帝国の全魔術師を一時間とかけず全滅させるとされた。

日本に亡命した魔術師《イリアス・ヴァシレウス・グラディエ》を除いて。


「今はもっと強い4人が居ますからね。神代蘇芳達を一対一で、あまりにも簡単に倒して死亡させた時は冗談かと思いましたよ……」


レックスがそう言うのも無理はない。

あのイリアスに敵わないと言わしめた。

神代蘇芳にも勝てると自信を見せ、レックスがその力を知る最強の魔術師が。

そんな存在が何人も居るような国と事を構えられるわけが無いのだ。

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世界中に居る魔術師達の新たな頂点に君臨することとなった4人の魔神。


世界最強の雷使いと言われる魔神を兄に持つ世界最強の炎使い《白良々木眩(しららぎくらむ)


人任せで働こうとしない怠慢の散歩師《ミディア・ヴァルトシュタイン》


史上最高の破壊力を誇り、上位存在も避ける面倒臭がりの暴君《夢絶叶(むぜつかの)


至高の魔術師だが【異能】も魔晄外装も無く、一つの超能力しかない《皇 皇皇(すめらぎこうのう)


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「なぜ日本には化物や怪物みたいな魔術師が集まってくるのかしらねぇ」
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