第五十八話 入学前のその六
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「覚醒剤なんて」
「そうよ、だから余計にね」
「そうしたものをしてしまう人程なのね」
「親神様は助けないといけないと思われているから」
だからこそというのです。
「千里もよ」
「お助けさせてもらわないと駄目ね」
「そうなのよ」
「そうね、わかったわ」
私はお母さんのその言葉に頷きました。
「そうしていくわね」
「いいわね」
「そういえば」
ここで私はあることを思い出しました、それは何かといいますと。
「昔覚醒剤って合法だったのよね」
「ヒロポンね」
「そう呼ばれてたのね」
「ヒロポンは聞いたことあるかしら」
「ええと、戦前の本で出て来てたわね」
私が覚えている限りです、そんな言葉を目にしたことがあります。
「それで阿波野君も言ってたわ」
「あの子がなの」
「ええ、織田作之助さんが死にかけていた時に」
結核でもう余命幾許もなかったそうです、当時結核はもう助からない死に至る病で沢山の人が亡くなったそうです。
「ヒロポン打ちながら書いていたってね」
「ああ、そのお話ね」
「お母さんも知ってるの」
「あの人大阪の人じゃない」
織田作之助さんはというのです。
「大阪じゃ今も知ってる人多いから」
「だからお母さんも知ってるのね」
「有名人よ」
「通っていたお店もあるし」
「そう、難波の方にね」
カレーの自由軒やうなぎのいづも屋そして代表作のタイトルにもなっている夫婦善哉です。夫婦善哉は法善寺横丁にあります。
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