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おぢばにおかえり
第五十八話 入学前のその五

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「それで骨もボロボロになっていくのよ。髪の毛も毛根からね」
「ボロボロになるの」
「それで歯が抜けていったりして」
 お母さんのお話がどんどん怖くなってきました。
「全部入れ歯になって。入れ歯から電波を聞くとか」
「電波を受信するって聞いてたけれど」
「そうなるの」
 実際にというのです。
「そんなお話もあるのよ」
「そうなの」
「そう、もうどれだけ身体に悪いかわかったわね」
「お話聞いただけでね」
 ここまでそうしているだけで、でした。
「絶対にしたら駄目ってわかったわ」
「お話聞くだけでもそうなるわよね」
「そんなのどうして手を出すのか」
 心の底から思いました。
「理解出来ないわ」
「それでも色々気持ちよくてね」
「手を出すのね」
「そうみたいよ」
「芸能界でもいるけれど」
「普通の社会でもいるから」
「一般の人でもなのね」
 市井でもということです。
「そうなのね」
「だからお母さんも今言ってるのよ」
「そうなの」
「そう、だからね」
 お母さんは私にさらにお話してくれました。
「千里も手を出したら駄目だし」
「冗談抜きで破滅するからよね」
「人間止めるから」 
 そうしたことになるからというのです。
「それで若しやってる人がいたら」
「お助けね」
「警察沙汰にもなるしね」
 そもそも犯罪だからです。
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