TURN38 獅子団その十
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四国では大怪獣を巡っても様々な話が行われていた。そしてその話は四国に向かう東郷達の耳にも入っていた。
日本がモニターからだ。長門の艦橋にいる東郷に話した。
「先程四国から使者が来たそうですね」
「ああ。抗戦はするがな」
それでもだとだ。東郷は日本に話す。
「それでも四国の星には攻撃しないで欲しいとのことだ」
「戦闘はあくまで艦隊での戦闘だけですか」
「それで勝敗がつけば終わらせたいそうだ」
「では私達が勝てば」
「降伏するということだな」
「そうですか。それが四国側の考えですか」
「それならだ」
東郷はここであらためてモニターの日本に話した。
「それを受けようと思う」
「そうされますか」
「俺も無駄な血を流さないで済むのならそれでいい」
東郷は決して好戦的ではない。戦わずに済むのならそれでいいのだ。
それでだ。四国側の申し出を受けるというのである。
「受ける」
「わかりました。それでは」
「祖国さんもそれでいいな」
「私も。艦隊戦で終わるのなら」
それならばだというのだ。
「いいです」
「降下しても徹底抗戦してくる場合もあるからな」
「はい、ですから」
「いいことだ。特にな」
「特に?」
「四国側は大晦渋には手出ししないで欲しいと言っていた」
「ああ、あの蟻の様な大怪獣ですね」
それがどういった大怪獣かもだ。日本は知っていた。
「あれにはですか」
「惑星と一緒になっているからな。下手に攻撃をすればだ」
「惑星と。その中にいる人達にもですね」
「被害が及ぶからな。それでだな」
「はい、ではあの大怪獣にも」
「一切攻撃を加えない」
実際にそうするとだ。東郷は言い切った。
「大怪獣とはいえ大人しいし人類と共生ができている」
「それならですね」
「こちらから手を出すこともない」
大怪獣についてもだ。そうだというのだ。
「それで行こう」
「戦闘は艦隊戦だけで」
「とはいっても大怪獣と共生しているのか」
このことにはだ。東郷は興味を覚えてこう言うのだった。
「どういったものか。この目で見てみたいな」
「そうですね。我が国は古来より富嶽に悩まされています」
それ故にだった。
「一度調べてみたいですね」
「富嶽がああして大人しくなるのなら有り難いことだ」
東郷の言葉は切実なものだった。
「是非共な。そういうことはな」
「研究して真相を究明し」
「取り入れられるのなら取り入れたい」
「はい、是非共」
こうした話もしたのだった。そのうえでだ。
太平洋軍は四国に向かっていた。オセアニアにおけるエイリスの最後の植民地においても戦闘が行われようとしていた。
TURN38 完
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