深慮遠謀
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ュカの答えに皆が驚愕の表情をする!
「な、何でそれを黙ってたんですか!!?リュカさんのルーラがあれば、私達の旅はもっと楽になってたんですよ!酷いじゃないですか!」
体を震わせ怒るアルル…
ウルフ達も言葉にしないが、同じ様な感じだ。
「アルルはこの旅での最終目的って何?」
「何ですか今更!?魔王バラモス討伐です!」
「うん。そうだね…アルル達の旅の目的が、ただ世界中を巡る事だったら僕はルーラを使ってたさ!でも違うだろ…アルル達はバラモスを倒す為に旅をしてるんだ…楽をしたらダメだよ!」
「楽をしていたのは父さんだろ!」
ジト目のティミーが言い放つ。
「相変わらずだなお前は…いいか良く聞け!僕にもお前にも、この世界を平和にする義務は無いんだ!世界を平和にする為、旅立ったのはアルル達なんだ!僕はバラモスと対峙する時までこの世界に居るとは限らない…アルル達には旅の…冒険の苦労を、身を以て体験して貰わなければならない!僕が手を貸すのは簡単だ。だが想像してみろ…アリアハンからずっと僕が全てを行っていたらどうなるか…戦闘はもちろん、移動は全てルーラで…きっとアルル達は成長しないだろう…アリアハンを出た頃と変わらないままバラモスと戦うんだ!もちろんバラモス戦も僕が戦えば良いのかもしれないが、果たしてその時点で僕はこの世界に居るのだろうか?」
先程まで憤慨していたアルル達だが、今は神妙な面持ちでリュカの言葉を聞き続ける。
「もしバラモスに、僕を元の世界へ…いやぁ、元の世界じゃ無くてもいい…別の世界へ飛ばす能力があったらどうする!?アリアハンを出た頃と、何ら変わらないアルル達だけで魔王と戦わねばならなくなる!勝てると思うか?」
…誰も答えない…答えは決まっているから…
「…リュカ…貴方の言い分は分かったわ!でもこれからはルーラを使ってもらうわよ!マリーの為に…」
沈黙が一行を包む中、ビアンカがリュカの頬を両手で押さえ、瞳を見つめて説得する。
「………分かった…ルーラは使うよ…でもビアンカもティミーも、アルル達の成長の妨げになる事はしないでほしい!この世界に平和をもたらすのは僕等じゃ無い、アルル達なんだから!」
「うん、分かった。みんなが危なくなるまで、手は出さないわ…」
リュカの瞳を見つめ誓うビアンカ。
神妙な面持ちで頷くティミー…
互いを見つめ頷き合うアルル達…
ビアンカはリュカの首に腕を回し、耳元に口を近付け囁く様に問う…
「本音は?」
「…めんどくさいから」
夫婦が他に聞こえない声で会話する。
ティミーやアルル達からは、深慮深いリュカと、それに感銘するビアンカが抱き合っている様にしか見えない…
イヤな夫婦である!
「さて…じゃぁルーラを使いますか!」
「でも…本当なんですか…?複数人を同時
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