始まりから夏休みまで
これから始まる話
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ても、そこには何もいない。
通学路にいるのは、僕一人だけだ。
でも、確かに見えたんだ。
黄色い布みたいなのが、ヒラヒラしてて…、
「…っ。」
いや、もうやめよう。
きっとアプリができなくなったせいで変になってるんだ。
それになんだか寒気もしてきた。
早く帰ろう。
そう思い、僕は駆け足で家へと向かった。
?
それから家につき、急いで鍵をあける。
なんだか誰かに見られているような気がしたからだ。
背中につき刺さる視線とおぞましい寒気。
後ろを振り向いてみても当然誰もおらず、余計に怖くなってきた。
そそくさと家に入り、念のためと思い鍵はしめておく。
「はぁ…。」
そうして、自宅の中に入ると安心感と共に疲れがどっと溢れ出てきた。
ちなみに僕の家はアパートだ。
部屋は広くて、防音も完璧。
そこそこ値段のはるリッチなアパート。
そこで僕は一人暮らしをしている。
何故ただの高校生がこんな立派なところに一人で住めるのかは、後で話すことにしよう。
今はとにかく休みたい。
「…。」
ブレザーをハンガーにかけ、ネクタイを緩める。
お風呂に入ったりしたいけども、なんだか今はそんな気力もない。
そのままソファーにどさっと座り込んだ。
「はぁ…。」
FGOができなくなったショックのせいか、虚無感がすごい。
いや、できなくなったショックというよりかは、北斎ちゃんにはもう会えないと言うことの方が大きいだろう。
「僕の…北斎ちゃん。」
一緒に1.5部を駆け抜け、これから2部をやっていこうとしたのに…。
北斎ちゃんは…もう。
「随分と具合の悪そうな顔だナ。なんか悪いモンでも食っちまったのかい?」
「ううん、違うよ。ただ……
…え?」
待って。
今、僕は誰に話し掛けた?
ゆかなさんみたいな声聞こえたよね?
何?ショックのあまり幻聴まで聞こえ始めちゃったっぽい?
そう思い、恐る恐る声のした方向を見てみると。
「…!?」
驚きのあまりソファーから崩れ落ち、尻餅をつく。
「なんだい、そんなに驚くこたぁないだろ?」
"彼女"は、僕の隣に座っていた。
「よっこいせ、と。じゃあここはそれらしく。」
彼女は立ち上がり、尻餅をついた僕の方に向き、言った。
「あんたがおれの、ますたあ殿かい?」
彼女は、"葛飾北斎"は僕にそう尋ねた
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