始まりから夏休みまで
これから始まる話
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拝啓お父様お母様、お元気ですか?
僕は…まぁ元気です。
きっと今頃存分にお兄さんを贔屓しているでしょうね。
とまぁ、遺書を書くのなら出だしはこんな感じかなと考える。
きっとあの二人の事だ。
僕が死んだって無関心か、もしくは喜ぶくらいだろう。
僕はお兄さんと違ってバカで何も出来なかったから、小さい頃から親には嫌われていた。
さて、なんで僕がこうやって遺書のことを考えているのかと言えば、現に今死にかけているからだ。
トラックに引かれそうになった子供をかばった?
違う、そんか大義なものじゃない。
やばいやつに追われてる?
漫画やライトノベルじゃあるまいし。
言ってしまえばテクノブレイクくらい恥ずかしい死因だ。
答えは一つ、
僕は今、"腹上死"しかけている。
「も、もうだめ…っ、出ない、からぁっ!」
「そんなこといって、おれン中でまた大きくしてるじゃないか。」
僕の上に乗っかっている女の子に、搾り取られている。
もう何回…いや、何十回と彼女の中で射精しただろうか。
どれだけ出せども出せども、彼女はもっともっととねだってくる。
その仕草が一々エロくて、僕の平均より大きなペニスは正直に勃起してしまうのだ。
で、
その僕の上で淫らに精を搾り取っている女の子なのだが、
彼女でもなければ、友達でもない。
それに初対面だ。
だけど僕は彼女をよく知ってるし、彼女もまた僕をよく知っている。
そんな彼女の正体はなんなのか、
「ますたあ殿…?」
優しく、僕の頭をわしゃわしゃと撫でる彼女。
僕が一目惚れした、一番のお気に入り。
「大好きサ…?」
葛飾北斎。
FGOの、葛飾北斎だ。
?
「ねぇ、直るかな…。」
時間は数時間前のこと。
それに気付いたのは登校した後のことだった。
「だめだな…どうこうやっても起動しない。」
「うそ…。」
友人が僕のスマホを返す。
機械に強い友人ならなんとかできるかもと思ったのだが、だめだったみたいだ。
僕のスマホが故障したのかと言われれば、故障はしてない。
電話は出来るしLINEだとかそういったものはできる。
携帯電話としての機能はちゃんとしている。
だが、
「にしても不思議だな。どうしてお前のだけFGOが起動できないんだ?」
「わかんないよ…。」
登校し、ログインボーナスだけもらっとこと思い起動したのだが、いくらタップしてもFGOが起動しない。
調べてみても、運営側のミスとかメンテでもない。
なんなら友人は普通にログインできている。
そう、僕だけがログインできないのだ。
「お前、北斎に相当入れ込んでたもんなぁ。」
落ち込む僕を見て、友人はそう言う。
友人の言う
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