第72話 断章〜深淵の共闘〜
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口元に笑みを浮かべ、アンゼリカの発言にその場にいる全員が冷や汗をかいて脱力している中トワと共にクロウは呆れた表情で呟いた後目を細めてレンに訊ねた。
「さすがにそれは考え過ぎよ。元々メンフィルでもリベールの協力によって”アルセイユ”の姉妹艇は”カレイジャス”とほぼ同時期に開発されていて完成したのは”カレイジャス”よりも二月遅れだから、今回の戦争が始まる前からこの飛行艇自身は存在しているわよ。――――――まあ、完成したとはいっても、今までこの船を最大限に生かす方法を思いつけなかったから緊急用の高速飛行艇としてお蔵入りしていたんだけど………皮肉にも去年のエレボニアの内戦で紅き翼がそのヒントをくれたお陰で、試験段階として今回の戦争で運用開始されることになったのよ。」
「な、”内戦での紅き翼の活躍がヒントになった”って……」
「………もしかして”灰獅子隊”の連中はエマ達のようにこの飛行艇でメンフィルの領土内を回ってエマ達みたいな活動をするのかしら?」
レンの説明を聞いたエリオットは不安そうな表情をし、セリーヌは目を細めてレンに訊ねた。
「うふふ、”灰獅子隊”の活動の一つとして要請という形でこの世界のメンフィル領土内にいるメンフィル軍の関係者は当然として時間があれば民間人の要請を受ける事も予定されているから、その推測には否定しないけど……この艦の最優先の目的は様々な戦場に駆けつけて味方を勝利に導く事だから、”カレイジャス”の運用目的とは全く異なるわよ。」
「”最優先の目的は様々な戦場に駆けつけて味方を勝利に導く事”という事は、この飛行艇は最低限の武装しかないカレイジャスと違ってこの飛行艇を使っての戦闘を想定されている為、武装もかなり搭載されているのでしょうか?」
レンの答えを聞いてある事に気づいたアンゼリカは真剣な表情で訊ねた。
「ええ、この飛行艇に備わっているスピードは当然として、武装の火力、そして魔導技術による障壁を活用すれば少なくてもエレボニア帝国の正規軍の空挺部隊はこの飛行艇だけで”全滅”に追いやる事ができるわ。」
「こ、この飛行艇一つで正規軍の空挺部隊を”全滅”に追いやる事ができるって……!」
「………今までの話を聞いて気になることがでてきたわ……この飛行艇の名前も運用目的も全てあの女将軍――――――セシリア将軍の仕業なのかしら?」
レンの説明を聞いたアリサ達がそれぞれ血相を変えている中マキアスは不安そうな表情で声を上げ、サラは厳しい表情でレンに訊ねた。
「ええ、そう聞いているわ。」
「やっぱりね……次に会った時、タダじゃすませないわよ、あの女将軍……!」
そしてレンが自分の質問を肯定するとサラは怒りの表情でセシリアを思い浮かべ
「フウ………
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