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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
邂逅-うんめい-
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ニオイなどどうすることもできない。
じゃあ走って逃げるか?だとしても他のモンスターに見つかってしまう危険性も出てくる。
じゃあ戦うか?確かに身体の調子はものすごくいいが無理だ。漫画や小説の主人公じゃあるまいし。
と、どうするか悩んでいるその時だ
「Gyaoooooooo!!」
「…!?」
隠れてやり過ごす。
だがそれは上から見れば丸見えだった。
「ウソだろ…?」
大空を滑空するモノにとって俺は間抜けに見えたことだろう。
ご存知ワイバーンだ。
もうこの世界は俺の知ってる世界じゃない。
安全な場所なんてない、人間は一気に弱者へと成り下がったんだ。
「くっそぉ!!」
もう見つかってしまいやけくそ気味に瓦礫の陰から飛び出し、走る。
ムシュフシュ達も視界に俺をとらえ、皆走り出した。
陸からムシュフシュ、空からワイバーン。絶体絶命の俺。
なんでだろうな、あんなに死にたいって思ってたのに…どうして今は死にたくないと思ってるんだろう。
必死に逃げる意味なんてないのに、そもそもあの時、死ねたと思ったのに、
どうして俺は今生きている?こうして生きようと必死になっている?
答えてくれるものなんていない。
そう、思ってた。
「!!」
突然目の前に人影が立ちはだかる。
銀色の髪をしたその女性は
「あのときの…!」
間違いない。
デーモンに襲われた夢に出てきた、あの武蔵ソックリなコスプレの人だった。
「危険だ!逃げろ!!」
その場で仁王立ちする彼女に警告するが、彼女は動かない。
するとどうだろうか、
腰に携えていた二本の刀を抜き、彼女は駆けた。
「え…?」
すれ違う俺と彼女。
彼女はそのまま襲いくるムシュフシュに立ち向かうと、一刀の元に切り捨てた。
仲間の一匹が瞬殺され、戸惑うムシュフシュ。
だが彼女はそんな時間など与えないとでも言いたげに二匹、三匹と次々に斬っていった。
速い。
僅か数秒のうちにムシュフシュは全滅し、今度はワイバーンの始末にとりかかる。
「Gyaooo!!」
その鋭い脚の爪で彼女を引き裂かんと急降下するワイバーン。
だが同時に彼女も跳び、すれ違い様に翼を切断。
空を舞う資格を瞬時に奪い去ったのだ。
そしてワイバーンの興味は完全に彼女に向く。
蚊帳の外状態となった俺は今のうちにどこかに逃げよう。
そう思ったが
「…!」
おそらくトドメを刺し損ねたのだろうか、
瀕死のムシュフシュがその毒のある尻尾をゆっくり持ち上げる。
上にはワイバーンをまとめて斬り裂く彼女。
このまま何も知らずに着地すれば、彼女は毒の餌食となる。
「化け物の癖に着地狩りとかするなよ…!」
そう愚痴をこぼすもまず俺に
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