暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
邂逅-うんめい-
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しまったのだろうか?困るな…眼鏡がないとほとんど見えないのに…。

「…。」

割れている窓からはダイレクトに風が吹き込み、電気のついていない部屋は薄暗く、どこか重い空気だった。
俺はどうしてここにいるんだろう。
さっきまで会社にいて、上司に怒られて、そしたら地震が起きて…。
そうだ。なんか大変なことになったんだ。
外が明らかにやばくなって、モンスターが襲ってて、
そしたら会社にも来て…。

そして俺は

「死んだ…はずだよな?」

貫かれたはずの腹部を見ても、そこには怪我どころか傷跡一つ見当たらなかった。
痛みもない。
ともかく、ここがどこだか確認しなければ。
そう思って立ち上がり、窓から外を覗いてみる。

「なんだよこれ…?」

あの怪我は夢だろうか?
しかし、今この目の前に広がる景色は夢か?
いや違う。現実だ。
外はモンスターが闊歩し、街は瓦礫の廃墟と化している。
まるで世界が滅んでしまったみたいだ。

逃げないと、

その言葉が心の中にあった。
いつまでもここにいてはきっと俺も奴等の餌食にされてしまうだろう。
そのへんに置いてあったネクタイと背広を広い、廃ビルから急ぎ足で出ていく。
外はやはりモンスターがうようよしているが、瓦礫の陰に隠れるなりしてやり過ごせばなんとかなりそうだ。

にしても、今日はよく見える。
眼鏡をしていないにも関わらず遠くの方の看板の文字までハッキリと見える。
さらには溜まった疲れのせいで重くなった身体もどこか軽い。
走るとどこまでも全速力で駆け抜けられそうなくらいだ。
ともかく都合のいいことに身体が絶好調なのだ。
これなら逃げ切れる。いやでもどこへ?
ともかく安全な場所だ。
でもこうなってしまった世界に安全な場所なんてあるのか?
そもそもさっきの場所の方がよほど安全なのでは?
そして、あそこまで俺はどうやって来たんだ?

「…。」

色々な疑問が次々と浮かんでくるがともかくそれは頭のはしっこに追いやるとする。
ともかく考えるだけじゃなく足を動かさないと。
ここでじっとしていてはダメだ。
モンスターの目をかいくぐり、瓦礫をうまく使ってやり過ごしていく。

だがここで俺は大事なことを忘れていた。
動物でもそうだ。
生き物というのは獲物を探す際、視角のみに頼るのではない。
嗅覚にも頼るのだ。
だからこうして隠れてやりすごしていようとも

(あいつら…近づいてきてないか?)

隠しきれない人間のニオイは俺はここだと伝えてしまう。
遠くにいたモンスター、FGOのムシュフシュに酷似したモンスターが段々とこちらに近づいてきているのだ。
鼻をすんすんと鳴らし、あちこちを向きながら確実に俺の方へと来ている。

今さら
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