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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第27話:その名は“創世”
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るのだろう。朔也やあおい等も、同様に危機感を募らせているようだ。

 一方奏はと言うと、かなり真剣な表情で颯人の話の続きを待っている。彼女は早くも感付いたのだ。その組織が、颯人にとって決して無視できない大きな敵であるという事に。

「その組織の名前は?」

 自然と、奏の口は颯人に組織の名を訊ねていた。彼女の問い掛けに、颯人は再び缶コーヒーに口を付けると一息間を置いてからその名を口にした。

「その組織の名前は……『ジェネシス』。新しい世界の創造、なんて理想を掲げる狂人の集団さ」

 颯人は半ば吐き捨てる様にそう告げた。それだけで、彼(と言うよりウィズ)とジェネシスと言う組織の対立度合いが知れると言うものだった。

 2年前、あのライブ会場で颯人は奏を助ける条件としてウィズの手伝いを強いられていた。その手伝いと言うのが、他ならぬジェネシスとの戦いなのだろう。ウィズは対ジェネシス用の戦力として、颯人を魔法使いにしたのだ。少なくとも奏はそう考えた。

 知らず、奏は拳を握り締めた。

 奏が心の中で怒りを燻らせている事に気付きつつ、颯人は再び魔法を使うとそこから数枚の写真を取り出した。

〈コネクト、プリーズ〉
「これは?」
「メイジは確かに魔法使いで、それだけ聞くと厄介に思うかもしれないが実は見た目で大体のレベルは測れる。大きく分けて三種類だな」

 颯人が取り出した数枚の写真。その中には色とりどりの仮面のメイジが居た。その内の一枚、琥珀色の仮面をしたメイジが写った写真を颯人は手に取った。

「こいつは所謂雑魚。大体は魔法使いになり立てで戦い方も下手な奴が多いが、数が揃うと厄介な連中だ。何しろこいつらは基本洗脳されてるからな。場合によっちゃ、自分への被害を無視して突っ込んで来やがるから注意が必要だ」
「洗脳? 無理矢理戦わされてるのかッ!?」
「そんなッ!?」

 洗脳と言う単語に、弦十郎と響が大きく反応する。必死の形相で詰め寄ってくる2人を、颯人は両手を上げて制止した。

「気持ちは分かるし質問したいのも分かるが、その辺に関しては全部後でな? まだまだ話さなきゃならないことあるから」
「ほら、響」

 聞かねばならない事、聞きたいことは山ほどあったが、颯人の言い分も一理ある為弦十郎は気持ちを落ち着けて座り直した。一方の響は未練がましくしていたが、奏にも諭されて渋々と言った様子で同じく座り直す。

 2人が落ち着きを取り戻したのを見て、颯人は別の写真を手に取った。先日の透が変身していたのと同じ、白い仮面のメイジだ。

「こいつは言っちまえば準幹部……幹部候補を示してる」
「幹部候補? そいつは、強さ的な意味でか?」
「強さもそうだし、素質的な意味でもある。正直選定理由は俺にも良く分か
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