47 喘息のハンデ
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
だ。それにプールを嫌がったのもカナヅチとかじゃないと思うんだ。それに・・・」
「それに?」
「あいつには何か違う感触がするんだ。前に異世界の敵や日本赤軍とはまた違った感触をしたんだ」
「杉山君・・・」
かよ子には杉山の鋭さに驚いた。
「実はりえちゃん、喘息気味なんだ。それから、私の持ってるこの杖と同じように、異世界の杯を持ってるんだ。その杯には精霊を生み出せる能力があるんだって」
「そうか、だからプールを嫌がったのか」
「でもさあ」
大野も話に入る。
「プールは喘息を治すのにも効果があるって聞いた事あるぜ」
「まあ、それでもすぐに水に浸かるのよくないんだろ。山田、俺、明日りえに会いに行ってくるよ」
「うん・・・」
りえは本当はプールで皆と遊びたい気があった。
(私、喘息でさえなければ入れたかも・・・)
りえは喘息の影響で水泳をすると発作を起こしそうなのを恐れている。以前、学校の水泳の授業で呼吸が困難になり病院へ運ばれた事があった。その後遺症もあり、水に浸かる事に抵抗を感じ、以降水泳の授業は見学せざるを得なかったのである。
北海道の札幌市。三河口は従姉の一人、ありとその夫の家にいた。
「健ちゃん、明日帰るでしょ?」
「はい」
「今日はカニを御馳走してあげるわ」
「ああ、どうもありがとうございます」
一行はとある飲食店に行ってカニ料理を食べた。それを食べながら三河口はありやその夫が言った言葉を思い出していた。
(あのイマヌエルがここに来ていたのか・・・)
そして自身も、静岡県に住むあの小学生の女子も、高校の友人達も巻き込まれる事を予想しており、その為にイマヌエルやフローレンス、森の石松などといった平和を司る世界の人間の力を借り続ける事になると思った。
これから日本で起こりうるであろう大きな大きな抗争に・・・。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ