暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン24 十六夜の決闘龍会
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スターを墓地に送り、属性の等しいM・HEROを特殊召喚します。闇属性のシャドー・ミストを墓地に送り……」

 影の名を持つ黒きヒーローが、その姿と同じ漆黒の仮面を装着する。黒い光があたりを包み込むと、その中にかすかに見えるシャドー・ミストの等身が伸び、両腕の爪がより戦闘に特化した姿へと巨大化していくシルエットが見えた。
 そしてその爪で闇を切り裂いて、闇のヒーローが2体の龍に立ち向かう格好で現れる。

「英雄の蕾、今ここに開花する。暗黒の大輪よ咲き誇れ!変身召喚、レベル8!行きますよ、闇鬼(あんき)っ!」

 M・HERO 闇鬼 攻2800

「闇鬼、ダメージこそ半分になるもののダイレクトアタッカーじゃったか。じゃが、わらわのライフはそれだけでは……」
「もちろん、それも対策済みです。この瞬間、墓地に送られたシャドー・ミストの効果を発動!デッキより新たな仲間、E・HERO オネスティ・ネオスを手札に加えます」
「ふむ……」

 笹竜胆の目が険しくなる。オネスティ・ネオスは手札から捨てることでヒーローの攻撃力を1ターンのみ2500引き上げる効果を持ち、その戦闘ダメージは下級モンスターの一撃であっても致命傷にまで膨れ上がる。具体的には、闇鬼のデメリットで攻撃力が半減してもなお彼女のライフを大きく奪い去れるほどに。
 しかし、これだけではまだ不足。

「永続魔法、増草剤を発動します。1ターンに1度墓地の植物族を蘇生できますが、この効果を使うターンに私は通常召喚できません。いきますよ、これが私の切り札です。甦ってください、クノスぺ!」

 マスク・チェンジ・セカンドのコストとして墓地に送られた少女を代表する蕾のモンスターが、地中から目を覚ます。そして単体では弱小モンスターに過ぎないクノスぺには、それを補って余りある仲間の力がある。

 E・HERO クノスぺ 攻600

「速攻魔法、地獄の暴走召喚を発動!私の場に攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚された時、その同名カードを手札、デッキ、墓地から可能な限り特殊召喚します。このとき相手プレイヤーも自身の場の同名モンスターを一斉召喚することができますが……」
「わらわのモンスターは2体ともシンクロ。当然手札にもデッキにも存在しない、というわけかの」
「その通りです。これが私の必殺コンボ、クノスペシャルです!」

 E・HERO クノスぺ 攻600
 E・HERO クノスぺ 攻600

 その言葉に答えるかのように、さらに2体のクノスぺが小さな体を精一杯に広げて恐るべき龍たちの前に立ちはだかる。これまでに何度も彼女がそう使ってきたように、クノスぺは他のE・HEROが存在する限り攻撃対象にならない能力と直接攻撃可能な能力を持つ。つまり、彼女の場には4体ものダイレ
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