暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン24 十六夜の決闘龍会
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纏っての突撃が、力を失った風のヒーローへと高高度から襲い掛かる。その体が大きく吹き飛ばされるまでに、そう時間はかからなかった。

 覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン 攻3000→M・HERO カミカゼ 攻2700(破壊)
 八卦 LP4000→3700

「きゃあっ!」

 暴風の余波が少女を襲い、小さな悲鳴と共に顔を押さえる。その声を聴いた瞬間に糸巻が反射的に壇上の笹竜胆へと掴みかからんばかりの勢いで立ち上がりかけたが、どうやら悲鳴の原因は巻き上げられた砂ぼこりが目に入ったことだったらしい。風を浴びてその髪や服装が多少乱れてはいるものの、先ほど糸巻自身が寿戦で受けた打ち消しきれなかった分の実体化ダメージと同レベルの被害でしかない。
 つまり、あの女もまた外れだったわけだ。とりあえずその事実と、少女の身に今この場で危機が迫っているわけではないということにほっとすると同時に、いよいよ詰めが近いことを察していた。本来参加予定だったロベルト、及び青木の両者が先日の襲撃によってリタイヤしたため、既に残る参加者はたったの2人。しかもそのうち片方は、巴から送ってきた人員である夕顔なのだ。

「ならさ糸巻さん、あれ今すぐとっ捕まえればいいんじゃないの?」

 裏手で隠されていた事情をすべて聞き、真面目な顔になった清明がひそひそ声で最後の1人に視線をやって問いかける。実際、糸巻もそれは考えた……だが、駄目だと首を横に振る。

「それができりゃアタシも楽なんだがな。もとよりこの参加者名簿は、あちらさんが勝手に用意したもんだ。つまり最初から参加者全員がフェイクの可能性もあって、アタシらがここで無駄な警戒してる間に悠々と爆破テロの準備を進めてる可能性もあるんだよ」
「……え、それってそもそも、僕ら2人ともここにいて大丈夫なの?」
「だから今も、鼓の奴が頑張ってるんだよ。何か重要な情報を洗い出せないか、清掃ロボのデータとにらめっこしながらな」

 それに鳥居の奴も、と言いかけ、こちらは黙っておいた。いまだに連絡の取れない彼女の部下は、今もどこで油売っているのか皆目情報が入ってこない。鼓の言によればこの町から出た形跡はないらしいので、いまだに家紋町のどこかにいることは確かなのだが。
 首を振ってこの答えの出ない話題を頭から追いやり、再び盤上へと目を戻す。とりあえず行われているのは普通のデュエルだ、なら放置しておいても害はないだろう。
 一方、その盤上では。ターンを終えた笹竜胆に代わり、少女がカードを引いていた。

「私のターン、ドローです!」

 手札と墓地、そして場の状況から、次の行動をどうするか。腹が決まるまでには、そう時間はかからなかった。

「速攻魔法、マスク・チェンジ・セカンドを発動!手札1枚を捨てることで私のモン
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