ターン24 十六夜の決闘龍会
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巻が事の重大さに気づき、せめてあの2人にはできるだけ楽しんでもらうためこの裏にある陰謀のことは黙っておこう、という完全に裏目に出た数分前までの自分の気遣いに呪いの言葉を口の中で吐きながら首根っこを掴み説明のため引きずっていった。何も知らない少女はそれを横目に自分たちの「いたずら」が思いのほかお姉様の逆鱗に触れてしまったと判断し、次は我が身かと青くなる。
しかし、そこで止まるほど少女は大人しい性格ではない。とにもかくにも勝ち進むしかない……腹を決めたのは、よりにもよって糸巻の望みとは真逆の方向だった。それで罪が軽くなることはないけれど、多少は怒りが和らぐかもしれない。
少女の感性は幼く、純真だったのだ。もはや事態は、そんなレベルをはるかに越えていたのだが。
「私のターンです!エアーマンを召喚して、その効果を発動します。デッキから自身以外のHEROを手札に……そして私が選ぶのは、私の一番のエースカード。E・HERO クノスぺです!」
E・HERO エアーマン 攻1800
「ほう、お主のエースカード、とな。わらわの感じた植物の気質の正体はそのカード、というわけじゃの。じゃが、エアーマンの攻撃力ではローズ・バードに相打ちを取るのがやっとじゃのう」
「確かにその通りです。ですが、これだけじゃ終わりませんよ。魔法発動、死者蘇生!このカードの効果により私の墓地からシャドー・ミストを攻撃表示で特殊召喚、そしてシャドー・ミストの効果!このカードが特殊召喚されたことで、デッキからチェンジ速攻魔法を手札に加えます。私が選ぶカードは、マスク・チェンジです」
E・HERO シャドー・ミスト 攻1000
2体のモンスターと、手札に加えられるマスク・チェンジ。ふうむと小さく唸った笹竜胆が、ここで動いた。
「なるほどのう。使わずに済むのならば温存したかったが、そうも言っていられんようじゃの。墓地よりトラップ発動、仁王立ち。わらわのローズ・バードを対象に取ってこのカードを除外することで、このターンの間お主のモンスターはこのローズ・バード以外を一切に攻撃対象にすることができなくなる。すまぬが、一斉攻撃は通さぬぞえ」
大きく翼を広げ、戦士たちと相対する植物の鳥。睨みあう両者の中で一番先に動いたのは、他でもないエアーマンだった。空を裂き飛んできた仮面をその手で掴み、自らの顔に押し当てるとそこから光が溢れ出す。直視できないほどのまばゆさの中でエアーマンの特徴的な扇風機を思わせる翼パーツは風にたなびく純白のマントへと置換され、その全身が新たな戦闘スーツに覆われていく。
「速攻魔法、マスク・チェンジ!私の場のHEROを墓地に送ることで、よりレベルの高い同じ属性のM・HEROをエクストラデッキから特殊召喚します。英雄の
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