ターン24 十六夜の決闘龍会
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びていた笹竜胆のデュエルディスクが唸りを上げる。
「ほほ、わかっておる。ではお主、そろそろ始めるとしようかの。これ司会、デュエル開始の宣言をするがよい」
「オーケーでーす。八卦ちゃん、いいよね?」
「え?あ、はい!いつでもいけます!」
間髪入れずに飛ぶ、元気いっぱいの返事。それを見て笹竜胆は、密かに感心していた。先ほどまでのこの少女の緊張っぷりは、間違いなく嘘ではない。しかしデュエルが始まると聞いた瞬間から、急にその気負った雰囲気が解けた。今の少女の心はすでに、これから始まることへの期待でいっぱいになっている。この切り替えの早さは、並大抵の神経ではない。デュエルモンスターズに対する愛情の深さも含め、いかにもプロ向けのメンタルだ。もし生まれがあと少し早ければ、期待の新星としてこの年頃からでもその名を全国に轟かせていたことだろう。
惜しいのう、喉まで出かかったその言葉は、寸前でそっと飲み込んだ。なぜか頭を抱えている糸巻の様子から見て、この娘とあの妖怪生意気乳女(笹竜胆談)には何らかの面識があるのだろう。ならば、わらわがとやかく口を出す話ではない。
それより今は、このデュエルだ。カードの前では彼女の持つ元プロの名も、少女の持つ七宝寺の姪という肩書も意味をなさない。1人のデュエリストとしてその力、存分に見せてもらうとしよう。すっと目を細め、カードを引いた。
「「デュエル!」」
「どれ、わらわが先攻かの。まずは小手調べじゃ、暗黒界の取引を発動。互いにカードを1枚引き、その後手札1枚を捨てる。さて、どうするかの?」
「暗黒界の取引、手札交換のカード……わかりました、ドローします。そして捨てたカード、E・HERO シャドー・ミストの効果を発動。デッキから仲間のモンスター、エアーマンを手札に加えます」
「ほう、お主はHEROを使うのかえ。やはり血は争え……いや、つまらぬ話じゃったな。お主はお主じゃ、あの御仁とは関係ない。そうであろう?わらわはこのトラップカード、仁王立ちを捨てる。そしてローズ・バードを攻撃表示で召喚!」
頭頂部と両翼の先端に赤いバラを生やす、植物の葉のような翼と体を持つ緑色の鳥型モンスター。一見するとなんてことのない下級アタッカーだが、植物族たるクノスぺを軸に気を組む彼女は当然、その効果を知っている。
ローズ・バード 攻1800
「まずは手始め、これでターンエンドといこうかの」
「先攻プレイヤーの笹竜胆さん、まずは様子見ということでしょうか?それは先輩デュエリストとしての余裕の表れなのでしょうか、それとも何かほかに意図があってのことでしょうか?さあ、続きましては八卦ちゃんの……あ、ちょっと、糸巻さん?何、痛い、痛いってば!?」
ようやくショックから立ち直った糸
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