ターン24 十六夜の決闘龍会
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「わらわたちの世界は勝負の世界である以上、試合のたびに勝敗が分かれる。ここまではよいな?たまに引き分けがないわけでもないがの。ともかくその両者に対し贔屓がおり、贔屓が勝てばまるで自分のことのように喜び、敗れれば悔し涙する。ありがたいことじゃ。そんな時、贔屓を倒したはずの者が呆けた様子を見せてどうする?それこそ見ている側の方が反応に困るじゃろう。わらわたちはいつだって真剣勝負じゃが、同時に人を楽しませる職だということは肝に命じねばならんぞ。わかったかえ?」
「なるほど……はい、わかりました!ご指導ありがとうございます!」
深々と勢いよく頭を下げるとその後頭部がちょうどいい位置に来たので、これ、と軽く手ではたく。キョトンとした顔でを上げた少女に、そうじゃなかろうと笑いかける。
「え?……あっ!」
何も言わずともピンとくるあたり、頭の回転は早い少女である。くるり客席へと向き直り、改めて深く頭を下げる。
「皆様、ご観戦ありがとうございました!」
顔を上げたところで一生懸命に拍手を続ける、興奮のあまり頬を紅潮させた親友の姿が目に入った。笹竜胆からたった今聞いたばかりの話を思い出し、大きく手を振ってそれに応える。それが、八卦九々乃にとって初となる公式戦の顛末だった。
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