ターン24 十六夜の決闘龍会
[13/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
装着した左腕が唸りを上げてその切っ先を叩きつける。その言葉通り今度こそ少女に打てる手はなく、蕾の英雄はあえなく串刺しとなった。
ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900→E・HERO クノスぺ 攻0(破壊)
八卦 LP3700→800
「きゃああっ!うぅ……」
つい先ほどまで風前の灯火だったはずの笹竜胆のライフは4000にまで膨れ上がり、ほぼ初期値のままこのデュエルを進めていたはずの少女のライフが逆に底をつきかける。ひっくり返った戦況、差が開く一方の戦力。改めて、プロの壁の高さを思い知らされた。
「……それでも、私は!」
いつか必ずお姉様に追い付いてみせる、肩を並べて戦ってみせる。それは、少女がその胸の内に秘めた強い思いだった。
先日の学校への侵入者戦は、少女にとっては苦い思い出だ。竹丸を、友達を助けてみせると意気込んで、その結果は頭に血が上っての短絡的な空回り。もしもあの時清明が来るのが間に合わなければと思うと、今になってもぞっとする。もしもお姉様だったら、援軍を待つまでもなく自分1人で決着をつけていたはずだ。
自分はまだまだその域には遠く及ばないけれど、それでも必ず追いついてみせる。そのためにも、かつてのお姉様のライバル相手に負けるわけにはいかない。
「先ほど伏せた魔法カード、天啓の薔薇の鐘を発動じゃ。デッキより、攻撃力2400以上の植物族モンスターを手札に加える。わらわが選ぶのは、2枚目のギガプラント……これでターン終了じゃ」
そんな細かい思考までは、いくら元プロデュエリストとして相手のわずかな感情の機微を読み取る術に長けた笹竜胆でもわからない。しかし、その目に秘められた強い想いと覚悟は容易に読み取れた。ならば、打てる手はすべて打っておくだけのことだ。
たった今発動した天啓の薔薇の鐘にはもうひとつ、墓地の自身を除外することで手札から攻撃力2400以上の植物族を特殊召喚する効果がある。この効果でギガプラントを特殊召喚すれば召喚権を残した状態で上級モンスターを場に出せ、さらに手札にはデュアルモンスターたるギガプラントの力を最大限に開放するための装備魔法、スーペルヴィスもある。植物族特有の生命力を、余すところなく発揮するための手札。これは、事実上の死刑宣告に等しかった。少女に残された猶予は、わずか1ターン。
「私の……ターン!」
この1ターンで、眼前の敵のライフ4000をすべて削らねばならない。最後の隠し玉だった決闘融合すらも使い切った今、もう1ターンあの猛攻を耐えきることは不可能。残された全リソースを、このターンにできる最後の攻撃につぎ込むしかない。そしていつでもどんな時も、少女には信じるカードがある。
「魔法カード、置換融合を発動!場のクノスぺ2体を素
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ