第6話 それぞれの思惑
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……。」
外務大臣の報告に本位が注意して聞く。
ショッカーとの国交開設は何としてもしなければならない事案だからだ。
日本とショッカーの国交開設交渉は難航していた。ショッカーとして今後の人口問題解決の布石として日本とはなんとしても国交を持ちたいのだが、日本としては国内からの反発や近隣諸国、国連からの反発もあって中々、国交樹立に関してハッキリとした回答ができていなかった。
ショッカーからすればそれらの日本の対応は想定内だった。
そこで国交樹立の対価にある物を提示した。
それは……………
「ショッカーはエイズの特効薬とナノマシン技術の一部を輸出すると言ってきました。」
「「「何だと!?!?」」」
ショッカーは日本世界に送った工作員からの情報で日本国内だけでなく諸外国までも国交樹立に反対していることを知った。そこでエイズの特効薬とナノマシン技術の出番なのである。エイズの特効薬はショッカー世界では1980年代に、ナノマシンの方は世界統一後すぐに開発された技術だ。
つまりショッカー世界からすれば当たり前どころか旧式の技術であるが日本世界ではどちらも開発には至っていない。
この2つは日本国民のみならず諸外国も喉から手が出る程欲しいはずなので、表立った批判はしなくなるだろうとショッカーは考えたのだ。
「エイズ特効薬とナノマシンですか……。これはショッカーに関する内外の世論が大きく変わりそうですね。」
会合は終了して本位を残して大臣達は退室する。会議室が静まり返る。
「世論か……変わってくれるといいが………。」
本位が椅子から立ち上がり、カーテンをめくって窓の外を見る。
今日も首相官邸を取り囲むように数千人もの活動家がデモを行っていた。
彼らは大声でシュプレヒコールを叫び、プラカードを掲げていた。
「本井政権の横暴を許すなー!」
「極右総理は退陣しろー!!!」
「ヘイト総理は異世界侵略をやめろ!」
「ショッカーとの国交開設に反対!」
公安からの情報で彼らが中韓北の工作員から支援を受けてデモを行っていることは判明している。しかしデモという形をとっているために彼らを逮捕することは出来ない。
野放しするしかないのである。
「どうしたものか………。」
本位は彼らを見つめながら日本の将来を憂えた。
一方、ショッカー世界では……。
某市 某アパート
やや暗いアパートの1室では窓から当たる夕陽に赤く染まった畳の上で数名の男女達が身を寄せ合って会合を行っていた。
「征服者達は日本と国交を結ぶつもりらしいな……。」
「そのようね、ショッカーの無い平和な世界にまで魔
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